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» 2011年10月05日 15時20分 UPDATE

電気自動車:EV大量普及で混乱が起こるのか、日産とGEが送電から宅内まで共同研究を開始

数百万台のEVが一斉に充電を開始したら何が起こるのか。これは誰にも答えられない質問だ。EV大量普及時代を目の前にして、EVの世界展開を考える日産自動車と、送電・配電・スマートグリッドの研究開発を進める米General Electric(GE)が手を組んだ。

[畑陽一郎,@IT MONOist]

 日産自動車と米General Electric(GE)は電気自動車(EV)用充電インフラについて、共同研究開発を進めることを合意した。契約期間は2011年10月から2年間。

 数百万台規模のEVが普及した将来、EV技術と送配電技術が密接に結び付く必要があるというのが共同研究開発を開始した理由だ。GE Global Researchでシニアバイスプレジデントとディレクターを兼任するマーク・リトル(Mark Little)氏によれば「EV時代にはこれまでの自動車産業の形が変わり、発電・送電・配電事業者と自動車産業の結び付きが非常に強くなる」という。

 そこで、「リーフ」を筆頭に商用EVや軽自動車EV、2人乗りEVなどさまざまなEVの世界展開を予定している日産自動車と、発電から送電、配電までエネルギー関連事業(スマートグリッド)に強みがあるGEが組む。なお、GEは世界の総発電量の25%が自社の設備で発電されたか、送電されたと主張している。

 共同研究開発は既に2つ進行中である。まず、EVとスマートハウスを連携させるプロジェクトでは、双方向の給電技術を開発中だ。スマートハウスからEVへは、日本のCHAdeMO規格を利用し、EVからスマートハウスに電力を供給するV2H(Vehicle to Home)技術を新規開発する(図1)。日産先進技術開発センターの支援を得て、北米にある日産自動車の2つの研究開発拠点の1つ、Nissan Technical Center North America(ミシガン州ファーミントンヒルヒルズ)で研究開発中だ。

EVから家庭へ電力を供給するシステム 図1 日産自動車が公開した家庭への電力供給システム 2011年8月に日産自動車が公開したもの。リーフの急速充電ポートから一般住宅の分電盤に電力を送る。積水ハウスが横浜市に建設した実証実験住宅「観環居」で動作するシステム。充電と電力供給を切り替えたり、リーフ内の電池残量などを表示する専用の操作表示パネルを使う。出典:日産自動車

大量充電時代を乗り切るには

 もう1つの研究では数百万台のEVが発電所から送電・配電システムまで、どのような影響を与えるのか、実際の充電器利用データと系統全体のシミュレーションを組み合わせて調べている。

GEのSmart Grid Lab 図2 GEのSmart Grid Lab 系統全体をシミュレートし、そこにEVの充電に関する実データを流し込んで、数百万台規模のEVをうまく充電する手法を開発している。出典:General Electric(GE)

 EVが大量に普及した将来、もし昼休み中に数100万台のEVが一斉に充電したらどうなるだろうか。GEの問題意識はここにある。送配電網に負荷を掛けないEV充電法を見つけ出すのが目的だ。同社はニューヨーク州ニスカユナに位置するSmart Grid Lab(図2)で、2社の協同研究を進める。


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