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» 2011年10月06日 12時24分 UPDATE

CEATEC 2011:山手線“レア車両”で試してきた!! ――混雑率・車内温度をリアルタイムでスマホに表示 (1/2)

三菱電機はCEATEC JAPAN 2011で「鉄道車両内におけるパーソナルな情報提供サービス」の展示デモを披露した。乗客の安心・便利を実現するスマートフォンを活用した情報サービスとは? 現在運行中の実験車両(山手線)に乗って試してきた!!

[八木沢篤,@IT MONOist]

――通勤・通学で毎日、山手線(東日本旅客鉄道:JR東日本)を利用している読者も多いのではないだろうか。実は今、全52編成あるという山手線の中で、たった1編成のみで“ある試み”が行われている。電気を発する黄色いネズミや人気K-POPデュオのラッピングが施された電車のように子どもや女子が喜ぶようなものではないが、“レア度”では、絶対に負けていない(と思う)。

 それは「山手線トレインネット」と呼ばれるスマートフォン向け情報サービスを体験できる実験車両だ。2011年10月4日〜11月2日までの間、山手線の車両“1編成限定”で走行している。

CEATEC会場に山手線現る!? 山手線トレインネットとは?

 このサービスをJR東日本と共に開発した三菱電機は、2011年10月4日に開幕した「CEATEC JAPAN 2011」の中で、山手線車両を模したコーナーを設け、サービスの利用イメージのデモを披露していた(家電・エレクトロニクスの総合技術展で知られるCEATECの中では、かなり異彩を放っていたように思う)。本稿では、同サービスの概要(ブースレポート)と、実際に実験車両に乗り込んでサービスを利用した模様をお届けする。

三菱電機ブース 三菱電機ブースの奥で見慣れた光景が。山手線車両を模したコーナーでは、「山手線トレインネット」のサービスイメージを確認できた

 同サービスは、乗客のスマートフォン(iPhone 4/3GS、各種Android端末)向けに現在位置、停車駅、車内状況などといった乗車車両のリアルタイム情報や、「トレインチャンネル」と連動した広告映像や沿線イベント情報、駅ナカ店舗で使えるクーポン、動画、書籍・雑誌などのコンテンツを、車両内に設置された無線LANアクセスポイント経由で配信するというものだ。利用者は、同サービス向けのアプリ(iOS 4.3.x/Android 2.1〜2.3.x向け)をインストールしたスマートフォンでこれら情報を受信することができる。なお現在、サービスおよびアプリの利用は無料となっている。

三菱電機ブースに設置されたトレインビジョン 三菱電機ブースに設置されたトレインビジョン

 提供される情報は、山手線に搭載されている車両内映像情報システム「トレインビジョン」(注)に配信されるものと連動した内容となっているそうだ。ちなみに三菱電機がこのトレインビジョンの開発を手掛けている。

※注:ドアの上部に設置されている2つの液晶モニターからなるデジタルサイネージ。左側にあるモニターがCMやニュース/天気予報などを表示するトレインチャンネル。路線図、乗り換え案内、遅延情報などを表示する右側のモニターをトレインビジョンという。総称して、トレインビジョンと呼ぶ。


鉄道車両内におけるパーソナルな情報提供サービス CEATEC JAPAN 2011の三菱電機ブースでは同サービスを「鉄道車両内におけるパーソナルな情報提供サービス」として紹介。システム構成図からも分かる通り、列車情報管理装置からの情報を無線LAN経由でスマートフォンに配信している。なお、車両内のローカルネットワークに限定しているため、インターネット接続はできない

 「従来のトレインビジョンの情報だと、運行情報がパラパラ漫画(紙芝居)的に表示されるので自分が見たい情報を一度見逃してしまうと、次に表示されるまでしばらく待たなければならない。スマートフォン向けアプリという形式であれば、インタラクティブに自分が見たい情報を好きなタイミングで表示・切り替えることができる」(説明員)。また、所要時間や走行区間の情報、遅延や運転見合わせなどの情報配信は当然のことながら、車内状況として“車両ごとの混雑率”や“車内温度”などを把握できる点は非常に面白い。車内温度は温度センサーで、混雑率は車両のサスペンションの沈み具合(何キロの力が車両に加わっているか)を計測し、その数値を基に算出しているという。

 ただ、残念なのは、“車内でしか利用できない”点だ。既に乗っている車両の混雑率や温度が今更手元で確認できても……。「やはり、車内状況が乗り込む前に分かると便利ですよね」という筆者の問いに対し、説明員は「今回の実験の結果やニーズ次第だが、ホーム上でこうした情報(これから乗ろうとする電車内の状況など)を確認できるような仕組みも将来的には考えられるだろう」と話していた。大いに期待したい。

 また、三菱電機はトレインビジョンのシステムを他の鉄道事業者にも供給しているだけに、横展開も気になるところだ。そこで、山手線以外のJR線や私鉄沿線への展開の可能性について伺ったところ、「可能性としては、JRが乗り入れているような私鉄沿線区間でのサービス展開は考えられるが、JR東日本と乗り入れ先の意向次第でしょう」(説明員)とのことだ。研究開発の主体がJR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所だけに、JR東日本側の意向に大きく影響されそうだ。

 さらに、iPhone、Android以外のスマートフォン(例えば、Windows Phone)や一般の携帯電話での利用については「画面サイズや操作性のことを考えると、タッチスクリーンを搭載した現状のスマートフォン以上が対象となる(現段階では一般の携帯電話での展開は考えていない)。将来的には、タブレット端末での利用も考えられる。サポートOSについては、普及台数を見て慎重に考えたい」(説明員)としていた。

――CEATEC会場での取材活動がひと段落した後、筆者は三菱電機の説明員に教えてもらったWebサイト(Wi-Fi車内情報提供サービス実験 山手線トレインネット)で、実験車両の現在位置を確認し、急いで海浜幕張駅に向かった。

「Wi-Fi車内情報提供サービス実験 山手線トレインネット」で実験車両の現在位置を確認 「Wi-Fi車内情報提供サービス実験 山手線トレインネット」で実験車両の現在位置を確認
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