日産はEVの呼び寄せ、スズキはエンジン搭載のEV電気自動車 東京モーターショー2011(1/2 ページ)

東京モーターショー2011の出展情報が明らかになった。スズキはレンジエクステンダータイプのEVの他、環境対応の二輪車を出展する。日産自動車は用途の異なるEV3車種をそろえた。

» 2011年11月09日 12時15分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]

 スズキと日産自動車は2011年11月8日、相次いで「東京モーターショー2011」(2011年12月2〜11日、東京ビッグサイトで開催)の出展内容を発表した。両社とも電気自動車(EV)などの環境対応車を重視した内容になっている。

 スズキは、四輪車を4車種出展し、そのうち2つが、EVだ。

 「Q-Concept(キュー・コンセプト)」(図1)は二輪車と四輪車の中間の用途を狙ったEV。用途は、半径10km以内の生活圏移動だ。全長2.5m、全幅1.3mと小さいため、駐車スペースは一般的なセダンの3分の1ですむ。1充電当たりの走行距離は50km。最高速度は時速60kmだ。

図1 スズキの「Q-Concept(キュー・コンセプト)」 前後2人乗りの他、後部座席をチャイルドシート2人用に変えたもの、小口配送用に1人乗りとしたものなど、さまざまな座席配置に対応する。出典:スズキ

 「スイフト EVハイブリッド」は、レンジエクステンダー型のEVである(図2)。走行に必要な駆動力は全てモーターが生み出す。二次電池(蓄電池)内の電力がなくなった場合、ガソリンエンジンが発電し、二次電池を充電する仕組みだ。二次電池が100%充電されていた場合、ガソリンを使わなくても約30km走行できる。

 スズキによれば、小型乗用車の日常の走行距離は20〜30km(日本国内の場合)であるため、日常使う範囲では純粋なEVとして走行できることを目指したという。このように設計すると、搭載する二次電池の容量を引き下げることができ、軽量で低コストなEVが可能になるという。さらに充電時間が短くなるというメリットも挙げた。

図2 スズキが出展するスイフト EVハイブリッド 外部の充電器から充電できる他、ガソリンを給油することで、電池容量が0%の状態からでも走行できる。出典:スズキ

 スズキは二輪車も5車種出展し、そのうち2車種が環境対応車だ。1つは電動スクーター「e-Let's」、もう1つは燃料電池スクーター「バーグマン フューエルセル スクーター」である(図3、関連記事:燃料電池スクーターの実証実験を開始、北九州市が350km走行可能なスズキの車両を使用)。

図3 スズキのバーグマン フューエルセル スクーター 英Intelligent Energyの燃料電池を採用した。出典:スズキ

 次に、日産自動車の出展内容を紹介する。目玉はスマートフォンから呼び出し可能なEVだ。

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