貸切の箱根ターンパークでEVを駆る――アウディ「e-tron」国内初披露電気自動車 東京モーターショー 2011(2/2 ページ)

» 2011年11月30日 00時00分 公開
[永山昌克,@IT MONOist]
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 レンジエクステンダーの動力源としてロータリーエンジンを採用したのも実にアウディらしい。かつてアウディの前身アウトウニオンが1969年に吸収合併したNSUは、世界で初めてロータリーエンジンを開発したことで知られている。その伝統技術を継承しつつ、小型/軽量/低騒音/低振動というロータリーエンジンのメリットを生かして発電機の動力として復活させたのだ。

photo レンジエクステンダーの動力源としてロータリーエンジンを採用したA1 e-tron。その胸をすくような加速感は、EVにもスポーティな走りへのこだわりを追求するアウディらしさが表れている

 一方「Audi A3 e-tron」は、バッテリのみでモーターを駆動するピュアEVである。電気モーターはA1 e-tronよりもややパフォーマンスが高く、瞬間最高出力85kWで、最大トルクは270Nmに対応。0〜100km/hまでは11.2秒で加速でき、最高速度は145km/h。航続距離は約140kmとなる。

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 バッテリには、容量26.5kwのリチウムイオンを採用。重量315kgの大型のものだ。リアシートの下部やセンタートンネル、さらにトランクの下に掛かる部分に配置されている。このバッテリによって電気モーターを回し、電気モーターが前輪を駆動する。

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 A1 e-tronもA3 e-tronも、外観についてはガソリン車である「A1」「A3」とほとんど同じである。従来のアウディと同じく、美しい外観とスポーティな乗り心地、そして快適な室内空間を提供することがe-tronのこだわりなのである。

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 同社では、電気のモーターとガソリンのさまざまな組み合わせによって、ユーザーの多様なニーズに応えていくという。例えば、主に街乗りしかしないユーザーにはピュアEVを、時々長距離を走るというユーザーにはレンジエクステンダー式を、主に長距離を走るが、街乗りではゼロエミッションにしたいというユーザーにはプラグインハイブリッドをそれぞれお勧めするとのこと。

 なお、e-tronの市場への導入については国内では未定だが、ヨーロッパでは2012年末にピュアEVの「R8 e-tron」が台数限定で販売予定となっている。

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