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» 2012年01月16日 18時50分 UPDATE

スマートグリッド:京セラとニチコンが太陽光と蓄電池をシステム化、最大14.2kWhの蓄電が可能

住宅用太陽光発電システムの累計設置数は、2011年度中に100万戸へ達する。今後は規模拡大とあわせて、住宅用太陽光に求められる機能が変わってくる。停電対策や余剰電力買取制度への対応などさまざまな取り組みが続く。

[畑陽一郎,@IT MONOist]
京セラとニチコンが太陽光と蓄電池をシステム化、最大14.2kWhの蓄電が可能 システム構成

 京セラとニチコンは2012年1月16日、家庭用太陽電池モジュールとリチウムイオン二次電池(蓄電システム)を組み合わせた新システム(以下、新システム)の販売を2012年夏に京セラソーラーが開始すると発表した(図1)。太陽光発電システムを既に導入している住宅向けには、新システムの一部分、つまり、ニチコンが開発した蓄電システムと京セラが開発したEMS(Energy Management System)*1)だけを販売する。

*1) 家庭(Home)用EMSであるため、HEMSの一種である。

20120116Kyocera_2person_590px.jpg 図1 新システム発表会の様子 京セラ代表取締役社長の久芳徹夫氏(左)とニチコン代表取締役会長の武田一平氏(右)。出典:京セラ

 新システムの目的は、まず、太陽電池が発電した電力を蓄電池に蓄え、停電に備えることだ。従来の太陽光発電システムとは異なり、停電時に自動的に自立運転に移行できることが特長。「他社製の太陽光発電システムと接続する使い方も検討しているため、従来の宅内配線に接続した家電製品をどの程度利用できるようにするのか、今後明らかにしていく」(京セラ)。

 電力消費のピークカットやピークシフトも実現できる。太陽光発電システムや蓄電システムをEMSを使って制御することで、さまざまなニーズに対応する(図2)。例えば、余剰電力買い取り制度を利用してエネルギーコストの削減を優先するのか、それとも蓄電池に確保する電力量を優先するのか、設定が可能だ。夜間に使用電力が多くなるといった家庭ごとの電気使用量のパターンに合わせた制御もできるという。

20120116Kyocera_system_590px.jpg 図2 システム構成 京セラの太陽光発電システム(太陽電池、パワーコンディショナー)と、ニチコンの蓄電システムを京セラのEMSで管理する。出典:京セラ

電池の増設も可能

 新システムでは、さまざまな出力の太陽電池モジュールと組み合わせて利用できる。蓄電システムには、韓国Samsung SDI*2)が製造したリチウムイオン二次電池セルをモジュール化して組み込み、BMS(Battery Management System)や蓄電システム用パワーコンディショナーと組み合わせた。

*2) 複数の調査機関によれば、リチウムイオン二次電池分野におけるSamsung SDIの世界シェアは、2011年末、1位に達したという。なお、ニチコンは2011年10月にSamsung SDIと日本国内における独占販売契約を締結しており、家庭用蓄電システム市場を狙うことを表明している。「世界で最も早期に立ち上がると見込まれる日本の家庭用蓄電システム市場の開拓・普及に向け、両社(ニチコンとSamsung SDI)が協力して取り組んで行く」(ニチコン)。

 蓄電システムの容量は、7.1kWhであり、常温で4000サイクルの利用が可能。二次電池の容量を2倍の14.2kWhに増設することもできる(図3)。

 なお、蓄電システムには大容量キャパシタ(コンデンサ)は搭載しておらず、UPS(無停電電源装置)としての用途は考慮していないという。

20120116Kyocera_590px.jpg 図3 太陽電池モジュールと蓄電システム 京セラの太陽電池モジュール(左)とニチコンの蓄電システム(右)を組み合わせて利用する。蓄電システムの寸法は、高さ120cm×幅90cm×奥行き35cm。容量は7.1kWh。システム価格は未定*3)。出典:京セラ

*3) 政府は2011年度3次補正予算で「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業費」210億円を決定しており、導入時に電池購入額の3分の1を支援することが決まっている。環境共創イニシアチブが補助事業を執行する。


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