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» 2012年02月10日 12時45分 UPDATE

シンチレーション式で業界初をうたう:線量マップへの応用も期待――スマホ連動できる手のひらサイズの放射線測定器

堀場製作所は、空間放射線量を測る手のひらサイズの環境放射線測定モニタ「Radi(ラディ)」の新型「PA-1100」を開発、発売する。測定データをAndroid搭載スマートフォン/タブレット端末に送信する機能を備える。

[八木沢篤,@IT MONOist]

 堀場製作所は、空間放射線量を測る手のひらサイズの環境放射線測定モニタ「Radi(ラディ)」の新型「PA-1100」を開発、2012年2月20日より発売すると発表した。

 測定データをAndroid 2.2以降を搭載したスマートフォン/タブレット端末に送信する機能(Bluetooth接続)を備える。シンチレーション式の放射線測定器では業界初の機能だという。販売目標は初年度(発売から1年)で3000台。

 放射線モニタリングの中でも、特に、土壌や溝など細かな箇所まで測定する必要がある多点測定の場合、作業者は測定値の読み取りだけでなく、測定場所もきちんと記録する必要があり、その作業効率に課題があった。また、持ち運びの観点からも小型・軽量の測定器が望まれていたという。同社はこうした課題を受け、作業の効率化を目的に同製品を新たに開発した。

環境放射線モニタ「PA-1100」 環境放射線モニタ「PA-1100」の本体イメージ(出典:堀場製作所) 
Android 2.2以降を搭載したスマートフォン/タブレット端末で専用アプリケーションを起動させた上で、同製品の電源ボタン(右側のボタン)を押すと、35秒後から自動的に測定をスタート。60秒の積算値(移動平均)を10秒ごとに表示する。また、もう一方のボタンを押すと測定データを発信し、スマートフォン/タブレット端末に自動的に記録する。このアプリケーションを介して測定データと同時に日時と位置情報をほぼリアルタイムに記録できる。折れ線グラフ表示にも対応。さらに、USB経由でPC側でも経時変化グラフを表示できる

 同製品は、検出器としてCsI(ヨウ化セシウム)固体シンチレータを採用する。測定放射線はガンマ(γ)線である。放射線を受けたシンチレータから出る蛍光をフォトダイオードで電気信号に変換し、放射線量として表示。GM管を用いたガイガーカウンターなどに比べ、10倍以上の高感度で微量な放射線の測定が可能だという。また、従来モデル「PA-1000(測定範囲:0.001〜9.999μSv/h)」に比べ2倍の測定範囲(0.001〜19.99μSv/h)を実現しているとのこと。通信機能としてBluetoothとUSBを備え、線量当量率[μSv/h]をCSV形式で出力する。

 本体サイズは68mm×28mm×121mm、重さは175g以下(電池除く)である。取扱説明書、単3形アルカリ乾電池2本、ネックストラップ、USBケーブルが付属し、15万5400円(税込)で販売される。なお、土壌などの放射線測定ができる放射能簡易測定キット「PA-K」(オプション品)と組み合わせて利用することもできる。

 Bluetooth接続により放射線量をスマートフォン側に送信し、専用アプリケーションと連動させ、測定値と併せてスマートフォン側のGPSデータから取得した位置情報(緯度・経度・高度)や時刻情報も自動で記録する。測定した放射線量は数値やグラフで確認できる。また、USB経由でPC(OSはWindows XP以降)側に測定データを送信し、専用アプリケーションで放射線量の連続モニタリングなども行える。これら機能により、第三者との情報共有やデータ集計・解析の作業効率化に貢献。情報データベースや放射線量マップのようなソフトウェアへの応用展開にも期待できるという。

 なお、同社は今春から放射線測定器のサービス体制や販社との連携強化を目的に、福島県に新たに事務所を開設する予定だという。

専用アプリケーションのイメージ(1)専用アプリケーションのイメージ(2) スマートフォン/タブレット端末専用アプリケーションのイメージ(出典:堀場製作所)

PC専用アプリケーションのイメージ PC専用アプリケーションのイメージ(出典:堀場製作所)

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