原子力大国フランスにも負けている、日本の太陽電池環境技術 記事ランキング(5)(1/2 ページ)

@IT MONOist 環境技術フォーラムでアクセスが多かった記事を隔週で紹介します。今回の集計対象期間は、2011年1月16日〜2012年2月12日です。

» 2012年02月28日 11時40分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]
原子力大国フランスにも負けている、日本の太陽電池 普及=マラソン競技

 「環境技術 記事ランキング」では、@MONOist 環境技術フォーラムでアクセスが多かった記事を隔週で紹介しています。今回の集計対象期間は、2012年1月16日〜2月12日です(前回の記事はこちら)。

 今回はさまざまな再生可能エネルギーの記事が満遍なく集まりました()。太陽光、太陽熱(マグネシウム利用)、地熱、風力……。国内の新エネルギー開発は順調のように見えます。

*) 第8位の記事は前回に続いて、トップ10に登場した。


 第1位となった記事「『元が取れない太陽電池』という神話」では、太陽光発電システムの費用対効果を分析しています。太陽電池の価格が下落していることや、どの程度の導入量でどの程度価格が下がるのかについてはこれまでもさまざまな記事で触れていました。例えば、「太陽光発電が石油火力を代替するのはいつ?」や、「太陽光発電のコストダウンはどこまで可能か」で紹介しています。

 太陽電池は希少な資源をあまり使わず*1)、価格が低減するに従って普及が拡大することは確実です。そうした中で、太陽電池を作るために電力を使っているのだから、太陽電池には意味がないという批判がくすぶっていました。これに真正面から応えているのが第1位となった記事です。

*1) Si(シリコン)は地球の地殻の27%を占めるほど豊富な元素だ。CIS/CIGS系ではインジウムなどを使うが、発電層がわずか1000分の1mm程度しかないため、元素の使用量は少なくて済む。

 第2位の記事「内陸型メガソーラーは何が難しいのか、山梨県の実例から分かること」では、立地条件が必ずしも最適ではないと思われる土地にメガソーラーを建設するにはどうすればよいのかを紹介しました。

 メガソーラーの収支は、金利などを無視すれば以下のような式で大まかに見積もることができます。

(年間発電量×買取価格−管理費用)×運用年数−建設時の初期費用−撤去時の費用

 年間発電量は気象条件や太陽電池の性能などで決まり、買取価格は政府が決めます。従って、建設時の初期費用をなるべく低くすることが肝要です。初期費用には太陽電池そのもののコストはもちろん、架台などの周辺部品や系統連系に要する費用、造成に要する費用、工事費用などが含まれています。

 太陽電池を「ケチる」と発電量が下がってしまいますし、架台が弱いと例えば20年の運転期間中に多額の管理費用が発生してしまいます。第2位の記事では架台の最適化手法や、工事費用を抑える手法を紹介しました。なお、日照条件などが同じであれば、造成済みで系統連系に要する費用が少ない土地が有利です(関連記事:うどん県にもメガソーラー、採算性は何で決まるのか)。

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