ソフトバンクのメガソーラー始動、京都と群馬に建設スマートグリッド

ソフトバンクグループのSBエナジーは、京都と群馬にメガソーラーを建設すると発表した。同社は全国各地に合計200MWのメガソーラーを建設することを目指しており、それぞれ第1号と第2号に当たる。京都市は提案型であり、京セラと組んで4.5MWのメガソーラーを建設する。

» 2012年03月05日 18時10分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]
ソフトバンクのメガソーラー始動、京都と群馬に建設 京都と群馬に建設

 ソフトバンクグループは全国でメガソーラーの建設を計画している。合計容量は200MWにも上る。これまでは北海道で発電試験場を運営していたが、いよいよ、第1号と第2号の建設が決まった。第1号は京都市、第2号は群馬県榛東村で展開する。ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを担うSBエナジーが、2012年3月5日に発表した。

 京都市では京セラグループと共同で最大出力4.2MWの「京都市水垂埋立処分場大規模太陽光発電所」(京都市伏見区)を建設する*1)。第1基(出力2.1MW)と第2基(出力2.1MW)に分かれており、合計年間予想発電量は約420万kWhである。

*1) 京セラが太陽電池を供給する国内のメガソーラーとしては東京電力が運営する「扇島太陽光発電所」(出力13MW)に次ぐ、2番目の規模となる(関連記事:国内最大のメガソーラーが川崎に完成、出力13MW)。

図1 京セラの太陽電池モジュール 「公共・産業用太陽電池モジュール(出力242W)を1万7360枚用いる」(京セラ)。図は京都で採用されたものと同寸法(1662mm×990mm×46mmの出力238.1Wのもの)。出典:京セラ

 太陽電池モジュールは全量、全量、京セラの多結晶Si(シリコン)太陽電池を用いる(図1)。モジュール枠に複数の溝を備えており、ほこりなどが雨水とともに排出されやすい独自構造をとるという。

 システム設計と資材調達、建設は京セラソーラーコーポレーションが、システム施工は京セラコミュニケーションシステムが担い、SBエナジーが発電事業者となる。

 2012年4月中に工事を開始し、再生可能エネルギーの全量買取制度が施行される7月1日に第1基(2.1MW)の運転開始を予定する。9月1日には第2基(2.1MW)の運転を開始する予定だ。第1基と第2基を合わせて敷地面積は8万9800m2を予定する。

 京都市は2012年2月に「京都市水垂埋立処分場における大規模太陽光(メガソーラー)発電所設置事業者提案募集要項」を発表している。「現地は、京都市内の一般家庭のゴミの焼却灰の埋立地であり、現在も利用中である。埋め立てが終わり、50cmの覆土をかけた約9haの土地の有効活用のために募集をかけた」(京都市環境政策局)。

 京都市は第三者委員会が事業者の選定基準を公開、5事業者が応募した。選定基準は6つある。事業計画の適切性の他、大規模太陽光発電所の安全性、設置事業者の経営の安定性、環境学習に対する寄与、大規模災害時におけるエネルギーセーフティーネットとしての寄与、大規模太陽光発電所運用開始の早期実現である。

 ソフトバンクによれば、価格による入札ではなく、提案型の案件であったため、自社と京セラグループが採用されたのだという。

群馬のプロジェクトではシャープと組む

 群馬県榛東村のプロジェクト「群馬県北群馬郡榛東村メガソーラー発電所」(仮称)は、最大出力2.4MWというもの。敷地面積4万9300m2の内陸部に建設するため、メガソーラーとしては難易度が高い。年間予想発電量は約268万kWhを予定する。

 こちらの太陽電池モジュールは、全量シャープの多結晶Si太陽電池モジュールを利用する。システム設計と資材調達、建設もシャープが担う。佐藤建設工業が施工を担当する。2012年7月1日の運転開始を予定する。


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