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» 2012年04月01日 00時00分 UPDATE

エイプリルフール、そして技術の無駄遣い:童心に返る――春のおばかモノづくり祭 (1/4)

仕事中には見ないでください!? 各地のモノイストから、おばか製品の数々が寄せられてしまったので紹介する。年に一回なので、笑って許して!

[小林由美,@IT MONOist]

 「エイプリルフールということで、変なものや、あまり役に立たない物を“あえて”作ってみていただけませんか」――そんなムチャなお願いに乗ってくださる“ 変な”エンジニアが、世の中に果たしているのかどうか。

 ……いた。

編集部注:本記事で紹介する製品および作品は、いわゆる「エイプリルフール・ネタ」であり、販売を目的として製作されていません。また告知や仕様、エピソードには、ジョークがふんだんに含まれています。とはいえ、本記事紹介されている製品・作品が、“万が一”現実的にビジネスの可能性があれば、各社に直接問い合わせください。




「コマづくり大好き!」ホニャララ精密の、美しくノスタルジックなコマ

 旋盤加工を得意とする神奈川県某所の精密加工業 ホニャララ精密。同社は、本業の工業部品製作の傍ら、なぜか、金属製の小さいコマも作って売っている(よく売れているらしい)。

 「コマづくり大好き!」同社の製造担当 八木大三氏は、不敵な笑みを浮かべた。「今回は、コマとしての機能性だけでなく、見た目にもこだわったコマを製作しました」。

 「そうだ、美しいコマ作ろう」ということで、八木氏の卓越した旋盤加工技術が生み出したもの、それは……。

yk_baca01.jpg 左は(作らせた人)ホニャララ精密 CIO 笠原真樹氏、右は(作った人)同社の製造担当 八木大三氏

 名付けて「SEIMITSU U-KOMA」。全3色。

yk_baca03.jpg SEIMITSU U-KOMA

 そう、ギャグ漫画でよく見かける、あの物体だ。ノスタルジックな味わいのコマとなっている。旋盤加工で、この「美しいとぐろ形状」と「コマとしての性能」、その両方を満たすためには高度な技術が要求される。

SEIMITSU U-KOMAの技術概要

「“リアル感”を出すためにらせん形状も検討しましたが、コマとしてのバランスを重視し、今回の形状にしました。先端の形状については、デザイン性を重視して切れ味鋭く鋭角にするか、コマとしての機能性を重視するか迷いましたが、安全性も考慮し、微小な平坦(たん)部を微小Rでつなぎました」(八木氏)。

技術概要

◇外寸(mm)

  • 外径:φ19.8
  • 全長:30.0

◇材質と重量(g)

  • C3604:22.8
  • A7075:7.6
  • C1100(タフピッチ銅):24.3

◇製作工程と精度

  1. 棒材からの旋削加工:使用した加工機:「HiCell B-65」(日立精機)。所要時間について、段取りは30分、加工は15分(1個当たり)
  2. 突っ切り側の端面加工:ベンチレースによる加工。所要時間は、段取り5分、加工1分。
  3. ローレット加工:所要時間は、段取り5分、加工1分。

◇加工精度

  真円度:1μm



「材質の選択は色味と言葉の響きを重視し、タフピッチ銅を選択しました。……タフピッチって強そうですよね? 2012年はオリンピックイヤーなので、金銀銅の3色にしました。真円度、同軸度を出すために、加工中の作品の振れを抑えるノウハウが生かされています」(八木氏)。

スペシャル台座も用意

 その後の同社は、SEIMITSU U-KOMAのための専用台座も用意しようと、早速、3次元CADでモデリングを開始。

yk_baca04.jpg 3次元CADによる設計

 この形状は、現在はあまり見かけなくなった型式だ……。そう、今回の同社の作品では「ノスタルジックさ」の表現が重要なのだ。

 そして出来上がったのが、以下。写真では、銅製(強そうなやつ)のSEIMITSU U-KOMAをセットしている。「研磨まで間に合わなくて超悔しい」(ホニャララ精密 CIO 笠原真樹氏)。

yk_baca05.jpg 斜め上から見ても「美しい」
yk_baca06.jpg 後ろから見ても「美しい」

 実に美しく、ノスタルジックな作品だ。

関連リンク:
たうりんの学習帳

編集部注:ネタですが、技術概要は本当です。

iPhoneをぶん回してみました

yk_baca01_f.jpg ニットー 代表取締役 藤沢秀行氏「残念ながら、藤沢市民ではありません」

 プレス加工や機械加工、治具製作などを得意とするニットー(横浜市金沢区)。同社の代表取締役 藤沢秀行氏は「ちょっと楽しいモノづくり」ということで、「iPhone Trick Cover」を製作。もちろん、ニットーのモノづくり技術が生かされた逸品だ。

 「iPhoneをCoolに振り回せるiPhoneカバー」ということだが、それがどんな製品かは、ひとまず以下の動画を見ていただいた方が早い。

「単純な機構ですが、いろいろなバリエーションのトリック(技)を繰り出すことができます。自立スタンド機能もあります」(藤沢氏)。iPhoneを落としやしないか……、なかなかスリリングなアイテムだ。

 「手になじんで動作もスムーズですぐに気に入りました! いまでは両手に持って二刀流で使用しています」(ユーザーの声より)

構成部材、加工法

◇カバー

  • 材質:SUS304
  • 加工方法:レーザー+ベンダー(内側に衝撃軽減のためシリコンシート貼り付け)

◇ヒンジピン

  • 材質:SUS304
  • 加工方法:旋盤加工

◇ケース

  • 材質:A5052
  • 加工方法:マシニング切削加工


yk_baca08.jpg iPhone Trick Coverの仕様

「トリック動作の衝撃や振動によってあなたのiPhoneが故障しても当方は一切責任を負いかねます〜」(藤沢氏)。

関連リンク:
ニットー

編集部注:販売の予定は、いまのところありません(反響次第?)。製品の技術情報は本当です。

テトラポッド回して

 神奈川県茅ヶ崎市の精密加工業のダイショウ。茅ヶ崎漁港の防波堤で海を眺めていた同社の代表取締役 石塚裕氏は、「そうだ、テトラポッドを回そう」と思いたった。――その勢い(ノリ)だけで作られたのが、回る消波ブロックミニチュア「SPIN-T」だ。

yk_baca07.jpg ダイショウ 代表取締役 石塚裕氏(あだ名は、なぜか「専務」)

 「まずは3次元CADでモデリングから始めました。正四足形状にするには3次元空間で規則性を考えなければならず、私、ぼっこれ専務は頭があまりよくないので、苦労しました」(石塚氏)。

 「安易に回してみたら、思いの外回りました」と話す石塚氏。この製品は、水にも強いステンレス製(SUS304)だという。加工精度については、「ばっちりさ!」とのコメントだ。

 その製作よりも、今回の投稿のための動画撮影に苦労したようだ。「基本的に、コマではないので回りません。無理やり回しています。回すのに苦労します! まっすぐ回りません! 動画はカメラ固定で撮影しましたが、あっちに飛んだり、回らなかったり、カメラのレンズに激突したりと苦労が絶えませんでした。おそらく100カット(時間で3時間ほど)撮りました(涙)」(石塚氏)。

技術概要

◇外寸と重量

  • 外径(mm):φ19.8、全長:15.0
  • 重量(g):約50g

◇製作工程

 マシニング加工とワイヤーカットで製作。

  1. 棒材からのマシニング加工:「VM5-III」(OKK)を使用。段取り30分、加工60分(1個当たり)
  2. 切断:ワイヤーカット。段取り10分、加工15分
  3. 先端仕上げ加工:マシニング加工。段取り5分、加工5分


「マシニングの同時四軸加工にてワンチャッキングで加工しました。マシニングにおける同時四軸加工は当社の特徴です。合わせて複合加工も得意です!」(石塚氏)。

関連リンク:
ダイショウ

編集部注:ネタですが、技術概要は本当です。

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