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» 2012年04月06日 13時37分 UPDATE

CeBIT 2012 デジタル・ドライブ:アウディがIT見本市で新型「A3」を初公開した理由 (1/2)

アウディは2012年3月上旬開催の「ジュネーブモーターショー」で、「Audi A3」の新モデルを発表したが、同じタイミングで開催された「CeBIT 2012」でもドイツ国内向けに初公開していた。IT関連見本市であるCeBITで新車を披露した目的は、同社の車載情報機器プラットフォームのアピールにあった。

[佐々木千之,@IT MONOist]

 ドイツのハノーバーで2012年3月6〜10日、世界最大規模のIT関連見本市である「CeBIT 2012」が開催された。今回は、70の国と地域から4240社が出展し、110カ国から31万2000人が来場した。

 そのCeBITに、ドイツの自動車メーカーAudi(アウディ)が初めてブースを構えた。同じ3月6日から、スイスのジュネーブで「第82回ジュネーブ国際モーターショー」が開かれており、アウディはそこでコンパクトカー「Audi A3」の新モデルを発表した。その新型A3の「1.8T quattro」モデルが、今回のCeBITで初めて設けられた「デジタル・ドライブ」コーナーのアウディブースにもお目見えしたのだ。

⇒BMWブースなど「デジタル・ドライブ」のリポート記事

「CeBIT 2012」におけるアウディブースの外観新型「Audi A3」の「1.8T quattro」モデル 左の写真は、「CeBIT 2012」におけるアウディブースの外観。広いスペースに「Audi A3」と「Audi A7」の2台をゆったりと展示していた。右の写真は、新型「Audi A3」の「1.8T quattro」モデル。今回のモデルチェンジで第3世代となった。ドイツ国内では初公開だったこともあり、初日は多数のメディアが、2日目以降は大勢の来場者が訪れて写真を撮ったり車載情報機器プラットフォームに関する説明を求めたりしていた。(クリックで拡大)

 メジャーなモーターショーと会期が重なっているにもかかわらず、ITの見本市にわざわざ新型車を持ち込んだのは、A3に搭載されている同社の車載情報機器プラットフォームの最新バージョンをアピールするためである。同プラットフォームは、携帯電話ネットワーク(現時点では3G)を使ってインターネットに接続することが可能で、アウディの顧客向けクラウドサービス「Audi Connect」の最新版を利用できる。

 新型A3では、車載情報機器プラットフォームをモジュラー化することで、開発期間を短縮しつつ新しいハードウェアやソフトウェアを導入できる「MIB」を、同社として(Volkswagenグループ全体でも)初めて搭載した。特徴的なのはその入力インタフェースで、既存の車載情報機器で使用していたロータリープッシュボタンコントローラを改良して、プッシュボタンの上部に手書き文字認識が可能なタッチパッドを組み込んでいる。プロセッサは、タブレットPCなどで広く利用されているNVIDIAの「Tegra T20」(いわゆる「Tegra 2」。動作周波数は1.2GHzと一般仕様の1GHzより高め)を採用。マルチメディアディスプレイは、サイズが7インチの液晶ディスプレイで、画素数はWVGA(800×480画素)となっている。ナビゲーションのガイド表示は、マルチメディアディスプレイの他に、インストルメントパネル内の中央部(速度計とタコメーターの間)に設置された小型のサブディスプレイにも簡潔に表示される。

※新型A3は、Volkswagenグループが開発した新たな車台プラットフォームである「MQB」を初採用した車両でもある。

新型「Audi A3」のインテリアコントローラ部のアップ 左の写真は、新型「Audi A3」のインテリア。従来型に比べてロータリープッシュボタンコントローラが大きくなり、タッチパッド(黒い部分)が付いているのが分かる。また、マルチメディアディスプレイは薄くなった。右の写真は、コントローラ部を拡大したもの。ロータリープッシュボタンコントローラを回すとメニューのフォーカスが切り替わり、下に押すと決定されて下層のメニューに入る。ナビゲーション表示では回転により地図の拡大/縮小ができる。周囲のボタン(ナビゲーション、電話、ラジオなど)を押すとそのメニューにダイレクトにジャンプする。(クリックで拡大)
「Audi A7」のインテリアインストルメントパネル中央のサブディスプレイ 左の写真は、アウディブースに新型A3とともに展示されていた「Audi A7」の「3.0T quattro」モデルのインテリア。シフトレバーの後ろに見えるのが、タッチパッドがない従来型のロータリープッシュボタンコントローラ。ただし、この展示車では、「Audi Connect」の通信系が現在の3Gではなく、今後採用を進めるとしているLTEになっていた。右の写真は、「Audi A3」のインストルメントパネル中央のサブディスプレイ。ナビゲーションで目的地が設定してあれば、マルチメディアディスプレイの表示をナビゲーション以外に切り替えても、このサブディスプレイ側にガイドを表示する。(クリックで拡大)
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