日本に根差した3次元プリンタビジネスを展開オブジェットの日本法人設立

3次元プリンタ開発元 オブジェットと商社のファソテックは合弁会社を設立し、日本における3次元プリンタビジネスを積極的に展開していく。

» 2012年05月15日 14時35分 公開
[小林由美,@IT MONOist]

 3次元プリンタの開発元 オブジェット(Objet)とソフトウェア・機器商社のファソテックは、両社の合弁会社であるオブジェット・ジャパンを設立した。業務開始は、2012年7月1日から。本社は、千葉県千葉市。同時に、大阪営業所(大阪府大阪市)も設置した。同社代表取締役社長に就任したのは、エリック・ゴギー氏。同氏は過去、建築資材関連やCAD/CAM関連などのビジネスに携わった。

 同社は今後、日本国内の自動車、家電、医療など業界の未開拓企業に積極的にアプローチしていきたいということだ。大手・中堅企業ばかりではなく、中小企業への働きかけを強化していくため、地方の営業拠点も少しずつ増やしていきたいとゴギー氏は述べた。

左から、ファソテック 代表取締役社長 嶋田周吉氏、Objet AP マネージングディレクター ギラード・イロン氏、オブジェット・ジャパン 代表取締役社長 エリック・ゴギー氏

 ファソテックは、日本顧客のニーズをオブジェットの開発サイドにダイレクトに伝える役割も担っていく。

「オブジェットにとって、日本は主要な市場の1つ。日本は、市場のポテンシャルも大きく、オブジェットのような先端技術の需要が非常に高い。そんな日本の顧客により近づくため、ローカルな拠点を持ちたいと考えた。われわれのビジネスは――言い古されているかもしれないが――『グローバルになりたいなら、ローカルになれ』という言葉通りだと思っている」(Objet AP マネージングディレクター ギラード・イロン氏)。

 日本国内では、特にオフィスタイプ「Objet260 Connex」やデスクトップモデル「Objet24」の需要が高まっているということだ。価格はさることながら、装置のサイズが比較的小さめなことから、狭い日本のオフィス事情に合っていることも、需要を伸ばしている要因のようだ。エントリーモデルにおいては、オブジェットが得意とするハイエンド機へのアップグレード・パスも用意しているということだ。

Objet260 Connex:2011年6月開催の第22回 設計製造ソリューション展より

 なお2012年6月20〜22日に東京ビッグサイトで開催される「第23回 設計・製造ソリューション展」にもオブジェット・ジャパンとして出展し、その事前には何らかの新製品発表がある模様だ。

オブジェット代理店 2社の今後

 ファソテックにあった3次元プリンタ販売部門は独立し、オブジェット・ジャパン内に統合される形となった。ファソテックのオブジェット代理店としての契約は2012年6月末で終了するが、同社内の医療機器業界に特化した3次元プリンタ関連サービスは今後も継続・強化していくということだ。

 アルテックについては今後も変わらず、オブジェットの日本代理店としてのビジネスを継続する。同社は、オブジェットの子会社であるObjet AP(本社は香港)とパートナーシップを拡充し、中国における3次元プリンタを販売開始すると発表している。販売は、アルテックの連結子会社である中国現地法人「愛而泰可貿易(上海)有限公司」を通じて行う。

 上記のように、オブジェット代理店の商社2社は今後、それぞれ得意としてきた分野をより強く生かしながら、日本国内における3次元プリンタビジネスを推し進めるようだ。

第23回 設計・製造ソリューション展(DMS2012)

会期 2012年06月20〜6月22日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了

会場 東京ビッグサイト

オブジェット・ジャパン ブース情報

東2ホール(小間番号:24-34)


第23回 設計・製造ソリューション展特集

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