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» 2012年05月24日 18時10分 UPDATE

米PTCの新製品「Creo 2.0」の概要:バンダイも使うパラメトリック/ダイレクト連携ツール

PTCの設計ツールの新製品 Creo2.0は、2次元構想設計機能や、パラメトリック/ダイレクト連携を強化した。バンダイの玩具開発にも採用された。

[小林由美,@IT MONOist]

 PTCジャパンは、同社の設計ツール新製品「Creo2.0」(2012年5月14日にリリース)について、日本向けに製品概要を発表した。Creoは、10のアプリ群(記事公開時点)で構成される設計ツール。Creoのアプリ群は、それぞれシームレスに連携でき、ユーザーの設計・製造における職務やスキルによって最適なものを選定して提供される(この技術コンセプトを同社は「AnyRole App」と呼ぶ)。

「従来のCADは機能が非常に多い。ある職務では、一部の機能しか必要ないのに、全ての機能を備えたCADを使わなければならないこともあった。逆にそういった職務の人が簡単に使えるツールは、高機能なCADとの連携がしづらい上に、移行も難しい」と米PTC MCAD部門担当のゼネラルマネジャー マイク・キャンベル(Michael M. Campbell)氏は述べた。

yk_creo2_mc.jpg 米PTC MCADセグメント ディビジョナルゼネラルマネジャー マイク・キャンベル(Michael M. Campbell)氏 

 Creo2.0より、2次元構想設計アプリ「Creo Layout」(正式版として)、3次元モジュール設計・検証アプリ「Creo Options Modeler」が新たに加わった。

 Creo Layoutは、自動車のトランスミッションなど2次元の構想設計が最適といわれる分野にフォーカスした設計ツールだ。

 3次元データから形状を2次元へ流用、あるいは2次元で設計した構想図を利用して3次元モデルを作成することが可能だ。3次元CAD側に取り込まれた2次元構想図を修正した場合、ユーザーは3次元CAD側にその修正を任意で取り込める。

yk_creo2_cl1.jpg 3次元モデルから断面をインポートする
yk_creo2_cl2.jpg Creo Layoutで作成した断面から3次元モデルを作成する

 Creo Options Modelerは、Creoの3次元CADアプリと同社のデータ管理システム「Windchill」を連携させることで、複数の部品構成を3次元CADのモデル構成とリンクさせ管理することが可能だ。

yk_creo2_om.jpg Creo Options Modelerのデモ:Creo Options Modelerのデモ。左のウィンドウで任意の構成を選択すると、それに応じた3次元モデルが右のウィンドウにプレビューされる。

パラメトリック/ダイレクト連携

 パラメトリック3次元CADアプリ「Creo Parametric」(「Creo Elements/Pro」から改名:旧「Pro/ENGINEER」の後継)については、「AnyMode Modeling」(職務に合わせた作図形式を選択かつ連携可能な技術コンセプト)の機能として、幾つかの新機能を追加。

 Creo Parametricで作られた3次元モデルデータをダイレクトモデリング3次元CADアプリ「Creo Direct」で修正し、さらにCreo Parametricで展開すると、形状の追加・修正がされた箇所が3次元モデル表示と共に一覧表示される(以下の写真)。

yk_creo2_cp.jpg パラメトリック/ダイレクト連携のデモ

 ユーザーがパラメトリックモデルに反映させるか否か判断し選択することが可能だ。

 Creo Parametricで3次元断面を製作する際には、モデルツリーから直接利用可能だ。断面の干渉リアルタイム検知と2次元ビジュアライゼーションの機能も追加した。

 測定ツールも改善した。計測結果の画面表示の方法や場所を制御し、表示寸法をWordなどの他のアプリケーションで簡単に再利用可能とした。ほかには、自由曲面機能も拡張した。

yk_creo2_b.jpg PTCジャパン MCADインダストリーBDM ディレクター グレッグ・ブラウン(Greg Brown)氏
yk_creo2_g.jpg PTCジャパン 営業技術部 プリンシパル アプリケーション スペシャリスト 芸林盾氏

玩具・ゲーム機メーカーの導入

 玩具メーカー バンダイのボーイズトイ事業部は、スーパー戦隊シリーズの最新作「特命戦隊ゴーバスターズ」のキャラクター製品設計でCreoを2011年に採用した。同部門の玩具設計では、恐竜や動物などの有機形状もあれば、ロボットや車両のような機構形状もある。さまざまな形状の作成・変更に対応できる、パラメトリックとダイレクトモデリングの柔軟な連携が採用の決め手になったようだ。Creoで作られた3次元データは、映像作品や雑貨に携わる事業部門へも供給し、業務効率化やコストダウンを図っていきたいとのことだ。

 「(バンダイのボーイズトイ事業部には)これまでもPro/ENGINEERを使っていただいていた。今回はあらためて『どんなCADが自分たちの設計に合っているのか』を一から検討し、その結果としてCreoを選定していただいた」とPTCジャパン 副社長 クロスインダストリー営業統括本部長 宮川公延氏は述べた。

yk_creo2_mm.jpg PTCジャパン 副社長 クロスインダストリー営業統括本部長 宮川公延氏

 過去には、Microsoftのゲーム機「Xbox 360」の開発でもCreoが採用された。非常に厳しい開発スケジュールをこなせるよう、設計開発の効率化を図る上で、ダイレクトモデリングとパラメトリックモデリングの連携機能は有効であったようだとキャンベル氏は説明した。

PTCの体制

 米PTCは、ユーザー視点で「PLM」(グローバルなデータマネジメント)、「MCAD」(製品設計)、「ALM」(組み込み開発、電子電機)、「SCM」(製品供給・調査など)、「SLM」(アフターサービス)の5つのセグメント(部門)に分かれて事業を展開している。キャンベル氏はMCADのリーダーで、Creoはその部門管轄の製品となる。

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