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» 2012年06月26日 10時30分 UPDATE

勝敗を左右するのは手動ロボと自動ロボの協調:誰よりも早くまんじゅうを奪え!――NHK大学ロボコン2012 (1/3)

大学生がロボット作りの技術力や戦略を競う「NHK大学ロボコン2012」が開催された。制限時間内に素早くタワーを駆け上ってまんじゅうを奪ったのはどこの大学のロボットか?

[大塚実,@IT MONOist]

 全国から選抜された学生チームが技術力や戦略を競う「NHK大学ロボコン」(主催:NHK、NHKエンタープライズ)が2012年6月10日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催された。この大会は、2012年8月19日に香港で開催される「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」(ABUロボコン)の代表選考会になっており、優勝チームは日本代表として、香港に招待されることになる。

photo NHK大学ロボコン2012が開催。21チームが優勝を競った

手動ロボと自動ロボのコラボ

 NHK大学ロボコンは、与えられた課題をクリアするためにロボットを製作し、そのタイムや得点を競うロボット競技会だ。試合は対戦形式になっており、総当たり方式の予選リーグの勝者が決勝トーナメントに進出。そこからは一発勝負の勝ち抜き戦になり、優勝チームを決める。

 この競技会の大きな特徴は、人間が操縦する手動ロボットと、コンピュータが動かす自動ロボットの協調が重要であること。一般的に、ロボット競技会は手動ロボットのみか、あるいは自動ロボットのみであることが多いが、NHK大学ロボコンではどちらも使用。タイムを短縮するためには、両者によるスムーズな連携が欠かせない。

 試合を見ていて、強いチームと弱いチームの差を最も大きく感じるのはここだ。強いチームは、手動ロボと自動ロボとの間で待ち時間がほとんどなく、まるで工場の流れ作業のように課題をこなしていく。しかしそうでないチームは、先に作業を終えたロボットが相手を待つシーンが目立つ。

 このためには、3台のロボットをそれぞれどう動かすかというシステム設計、正確で間違わないロボットの操縦技術や自律技術など、幅広い技術やアイデアが必要。単純にロボットのハードウェア性能だけが高くても駄目で、チームとしての総合力が試されるのだ。

 今年の競技課題は「平安大吉(ペンオンダイガ)」というタイトル。毎年の競技課題は、ABUロボコンの開催地にちなんで設定されることが恒例となっており、今年のペンオンダイガは、香港の伝統的なお祭りのことだという。平和と繁栄を願って、タワーを駆け上って饅頭(まんじゅう)を取り合うのだとか。

 これを象徴して、フィールドには“饅頭タワー”が設置。細かいルールについては後述するが、このタワーの最上段にある“饅頭”を取って、カゴに入れればペンオンダイガ達成となる。これを対戦チームより早く行うことが目的である。

今年の競技ルールは?

 競技フィールドの大きさは13×13メートル。左右に2つのエリア(青/赤)に分かれており、これがそれぞれのチームの活動領域となる。相手チームの領域に入っていくことはできない。

photo 競技フィールド。青チームと赤チームでは左右対称となる。自動ロボットのゾーンには、目印となる白線が引かれている

 用意するロボットは、1台の手動ロボと2台の自動ロボ。今年の手動ロボは昨年までと異なり、操縦者が搭乗する形になった。また自動ロボの1台はコレクターロボットと呼ばれており、饅頭タワーから“饅頭”を取る役割を担う。

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