「強みを合わせてより強く」、オンセミがソリューション提案を強化電源設計

オン・セミコンダクターは、オートモーティブなど強化分野の売り上げ拡大を目指し、「ジャパン・ソリューション・エンジニアリング・センター」の活動を本格的にスタートさせた。

» 2012年07月10日 17時29分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)が、2011年に買収した三洋半導体とのシナジー効果の向上を目指し、ソリューション提案を強化している。現在同社が強化しているのは、車載システムとインフォテインメントを含むオートモーティブ分野や、ホームエレクトロニクス、モバイル機器、LED照明などである。日本市場において、これらの強化分野の売り上げ拡大を目指し、「ジャパン・ソリューション・エンジニアリング・センター」の活動を2012年4月ころから本格的にスタートさせた。

図 On Semiconductorの日本の販売会社である三洋セミコンデバイスの代表取締役社長と、ジャパン・ソリューション・エンジニアリング・センター統括を兼任する島田一郎氏

 このセンターは、FAE(Field Application Engineering )業務や顧客サポートを担当するオン・セミコンダクターの部署。既存の営業部門が顧客ごとの体制だったのに対し、このセンターのメンバーは強化分野ごとのソリューションを顧客に提案する。ここでいうソリューションとは、オン・セミコンダクターと、同社が2011年に買収した三洋半導体のそれぞれ強みとする個別/半導体部品を組み合わせたもの。「両社が強みとしていた個別部品や半導体製品を組み合わせ、特定の分野を対象にさらに強い製品群として提供することを目指す」(ジャパン・ソリューション・エンジニアリング・センター統括を務める島田氏)。

 例えば、車載モーター市場を対象に、三洋半導体のゲートドライバICとオン・セミコンダクターのMOSFETを組み合わせた形で提案したり、プリンタやノートPC、ゲーム機の電源を対象に、オン・セミコンダクターのAC-DCコンバータと三洋半導体のDC-DCコンバータをともに紹介する。この他、LED照明の分野では、オン・セミコンダクターが三洋半導体を買収したことで、出力電力が12W以下から300Wに至る幅広い出力範囲をカバーできるようになったという。

図 オン・セミコンダクターが強化している分野の一覧

  

 なお同社は、2011年7月11日〜13日の会期で東京ビッグサイトで開催される「TECHNO-FRONTIER 2012」に、「高効率」をキーワードに最近提供を始めた電源製品を出品する。例えば、オートモーティブ分野を対象にしたマイクロステッピングモータードライバIC「AMIS-30623」や、ACアダプター製品の待機時の消費電力を引き下げるコントローラIC「NCP12461」、力率改善回路と共振ハーフブリッジを組み合わせたLED照明用コントローラIC「NCL30051」などをデモを通して紹介する予定である。

図 2012年第1四半期(1月〜3月)の売上高の構成 2012年第1四半期の全世界での売上高は7億4400万米ドルで、このうちの2億600万米ドルを三洋半導体の売上高が占める。市場別でみると、オートモーティブが26%と最も割合が高く、民生分野が22%、コンピュータが18%、通信が14%と続く。

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