上位3チームがデッドヒート! 「フリースケール・カップ」決勝は手に汗握る展開2013年は3倍以上に規模を拡大(1/2 ページ)

2012年10月22日、大学生と高等専門学校(高専)生を対象にしたロボットカー競技会「The Freescale Cup(フリースケール・カップ)日本大会」の決勝が開催された。上位3チームがデッドヒートを繰り広げるなど盛り上がりを見せた決勝レースの模様をリポートしよう。

» 2012年11月12日 19時27分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「フリースケール・カップ」決勝レースを走る東京大学のロボットカー

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン(以下、フリースケール)は、2012年から、大学生と高等専門学校(高専)生を対象にした新たなロボットカー競技会「The Freescale Cup(フリースケール・カップ)日本大会」(大会Webサイト)を立ち上げた。

 9月29日に開催された予選には、全国から13校15チームが参加。その中から、完走を果たした7チームが、同社のユーザー向けイベント「Freescale Technology Forum Japan 2012」1日目(2012年10月22日)の目玉イベントとして開催される決勝に進むことになった。本稿では、この決勝レースの模様を紹介する。

第1回「フリースケール・カップ日本大会」決勝の様子 第1回「フリースケール・カップ日本大会」決勝の様子

 決勝レースの前に、フリースケール・カップの概要を紹介しておこう。

 フリースケール・カップでは、ロボットカーが競技コースを1周するのにかかる走行タイムを競う。2回走行して、より早くゴールした方の走行タイムがそのチームの記録になる。ロボットカーがゴールラインを過ぎて3m以内に停止できなければ1秒、全く停止できない場合には2秒のペナルティが与えられる。なお、競技コースからコースアウトしたり、周回途中で停車したりすると、走行タイムは記録されず、レース失敗という扱いになる。

 参加チームは、フリースケールのボディ系システム制御用の32ビットマイコン「MPC5604B」やアナログICを用いた制御ボードを中核とするロボットカー開発キットを用いて、競技コースの車線を認識しながら自律走行するロボットカーを開発する。他のロボットカー競技会と異なり、競技コースのレイアウトは、大会当日まで知らされないので、参加チームは、どんなタイルを使ったコースでも速く走行できるようなロボットカーを開発しなければならない。

 なお、今回の決勝で優勝したチームは、各国の優勝チームが参加するチャンピオン大会への出場権が得られる。

 決勝に参加したのは、予選順位の上位チームから順に、東京大学(チーム名「坂村研究室」)、千葉工業大学(チーム名「RDC Lab」)、大阪大学(チーム名「Robohan」)、函館高専、大阪電気通信大学(チーム名「チーム・ザ・タワシ」)、立命館大学(チーム名「Ubi」)の6チームである。予選を通過した名古屋工業大学は、学業に専念するため、決勝への参加を見送った。

決勝参加チームのメンバー。東京大学(左)と千葉工業大学。(クリックで拡大)
決勝参加チームのメンバー。大阪大学(左)と函館高専。(クリックで拡大)
決勝参加チームのメンバー。大阪電気通信大学(左)と立命館大学。(クリックで拡大)
決勝で走行するロボットカー 決勝で走行するロボットカー。左から予選上位の順に、東京大学、千葉工業大学、大阪大学、函館高専、大阪電気通信大学、立命館大学のロボットカーである。(クリックで拡大)
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