調査リポート
» 2012年11月12日 16時30分 UPDATE

DKNリサーチのプリント配線板データシート:プリント配線板、国内生産実績と北米需給動向〜2012年5月

日本国内プリント配線板生産実績と北米プリント配線板需給動向をデータシートで紹介。

[実装技術/MONOist]
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「エレクトロニクス実装技術」2012年9月号の記事を転載しています。



日本プリント配線板生産実績 2012年5月

 2012年5月の日本プリント配線板業界の出荷額は494億94百万円、出荷数量は135万8千m2で、前月比でそれぞれ6.7%の増加、1.1%の増加となった。前年比ではそれぞれ4.5%の増加、1.6%の増加である。数字だけを見た範囲では、最近の急激な縮小傾向に歯止めがかかったようにみえる。しかし品種による違いが大きく、とても楽観できる状況ではない。

 最も大きな変化を示しているのはリジッド系モジュール基板である。5月の出荷額は119億34百万円で、前月比で実に57.6%の増加である。年初から続いていた縮小傾向が止まっただけでなく、以前のピークまで一気に戻した。前年比でも大きなマイナス成長だったのが、2桁成長となった。業界全体で増加に転じたといっても、ほとんどこの1品種による寄与といってよい。モジュール基板はメーカーもユーザーも限られているので、このような急激な動きが時々ある。しかしピークが長続きすることもないので、早晩下落すると考えられる。

photo モジュール基板生産実績

 リジッドプリント配線板はほとんどの品種が引き続き減少傾向を示している。特に業界の大黒柱ともいえるビルドアップ配線板の衰退が目立ち、前月の大幅下落からさらに縮小した。これまで高いレベルで維持されてきていた販売単価も下落の兆しが出ており、メーカーが仕事量確保のために値下げ要請を受け入れている。

photo リジッドプリント配線板生産実績

 フレキシブル配線板は、片面回路と両面・多層回路とではかなり様相が異なる。片面回路は前月比で出荷額が微減となったが、数量では反発している。ここでも量を確保するために値引き競争が進んでいる。それでも長期的に見れば売上高の縮小が継続しており、薄利多売の構造になっている。一方コア製品である両面・多層回路は、昨年第2四半期を底に緩やかに回復してきたものが4、5月と2カ月連続で大幅減少となり、先行きに不透明感が広がっている。

photo フレキシブル配線板生産実績

北米プリント配線板需給動向 2012年5月

 北米の月ごとのプリント配線板出荷額を前年同月比で比べてみると、フレキシブル配線板が12カ月、リジッドプリント配線板が11カ月、マイナス成長を続けている。

 今年年初からの累計でも、前年同期比で5.3%の減少であり、下半期にある程度の回復がなければ、2012年の生産はかなりのマイナス成長になりそうな気配である。5月は前月に比べて、全体の出荷額、受注額とも増えているが、増加幅はわずかであり、第2四半期の2番目の月としては反発力に欠けている。長期低落傾向の流れが顕在化した結果と見ることもできよう。その結果として、5月のB/Bレシオは前月から0.01ポイント下がって1.03となり、ブレークイーブンである1.00までの余裕がなくなってきた。

 品種別で見ると、市場の大半を占めるリジッドプリント配線板は、全体とほぼ同じ動きをしており、5月のB/Bレシオは前月から0.01ポイント下がって、1.02となっている。これに対して、フレキシブル配線板のB/Bレシオは、前月から0.01ポイント上がって1.17となり、3カ月続けて高い値を維持している。しかしこれは一種の数字のマジックのようなもので、出荷が増えていないために生じた一時的な現象と考えられる。

 一方、プリント配線板産業と関係の深いEMS産業、半導体産業、コンピュータ産業の動きを見ると、長期低落傾向からこの3カ月ほどは比較的安定した動きになっており、市場が底を打ったと見る事もできよう。しかし踊り場的な一時的な安定期である可能性もある。これを確認するには、もう2、3カ月様子を見る必要がある。

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