大田区のみんな、ボブスレーの時間だ! Cool Runnings!「JIMTOF 2012」に行ってきた(3/3 ページ)

» 2012年11月19日 07時00分 公開
[小林由美,MONOist]
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キャムタス

 CAMも、CADやCAEと同様に海外ベンダーが幅を利かせる中、キャムタスは数少ない日本産CAMベンダーとして奮闘している。2次元CAD/CAM、3次元CAD/CAMの全てを自社開発しているため、国内ユーザーの声の反映が比較的容易で対応が素早いことも売りだ。

Speedy mill Nextの画面:等高削り出し加工の設定

 同社は新製品「Speedy mill Next」を展示。モデリングカーネルを一新したという同製品のCADでは、ダイレクトモデリングを採用している。Speedy mill NextのCAM機能は、2軸加工から同時5軸加工まで、画面を切り替えることなく、1つの画面上で操作ができるのも大きな利点だという。

セイロジャパン

 セイロジャパンは、同社のCAMソフトウェアや樹脂流動解析ソフトウェアを展示した。

GO2CAMの画面

 同社のオープンCAMシステム「GO2CAM」のGUIは非常にユニークで、トップ画面に加工現場そのもののCGが描かれている。棚や機械から、それぞれに関連した作業の操作画面にアクセスできる。CAMの操作画面も、表示するアイコンやメニューを極力少なくする仕様になっている。設定画面も文字だけではなくイラスト付きで加工内容を説明したり、ツールパスの作成状態を「緑、黄、赤」の信号で表現したりなど、直感的に操作できる環境としている。

 取り込んできた3次元CADモデル(ソリッドモデル)に付加されている穴属性や公差の情報が読み込める。CSVで取り込んだ穴情報からも加工工程を作成できる。モデルから取り込んだ公差情報を基に、加工寸法の自動修正も可能だ。

Moldex3Dの画面

 同社の樹脂流動解析ソフトウェア「Moldex3D」は高精度な大容量解析を得意としているという。有限体積法(FVM)を採用し、数百万要素以上のメッシュでも、ワークステーション上で計算可能だという。またランナーも含めて3次元モデル化し解析できるので(通常、ランナーはビーム要素で解析されることが多いという)、ランナーバランス(キャビティに樹脂を均等に充填できるランナー設定)を高精度で検証できる。

ワコム

 今回初出展というワコムのブースでは、同社の電機系CAD新製品「ECAD dio 2013」(2012年12月販売開始)の先行紹介や、24インチ液晶ペンタブレットのデモ展示を実施した。ECAD dio 2013では、設計エラーの検知機能を大幅に強化したということだ。

ワコムの液晶ペンタブレットでメカCADのデモ

 ワコムの液晶ペンタブレットで、同社のECAD dioと、クリエイティブマシンのメカ系CAD「IronCAD」の連携デモも実施した。ペンで画面上の線図やモデルを突いて、まるで紙の上に絵を描くような感じで次々と作図やモデリングができる。なお今後は両社共同で、「とある取り組み」を画策中ということで、今回の出展はそれを暗示する意図もあったようだ。

*IronCADについては、DMS2012のレポート内でも紹介した

リタール

省エネ制御盤用クーラー「Blue e盤用クーリングユニット」:基本色は白で、青は展示用

 リタールは、制御盤用エンクロージャ(大型ラック)や制御盤用冷却ユニットなどを展示した。同社の工業用水冷システム新製品「LCP」(Liquid Cooling Package)は、1台のラックに冷却モジュールを3台まで装備でき、最大12kWの冷却が可能ということだ。ラックは状況に応じた数を連結できる。

 省エネ制御盤用クーラー「Blue e盤用クーリングユニット」は、すでにダイムラー ジンデルフィンゲン工場で200台、BMW ミュンヘン第一工場で167台という採用実績がある。エネルギー費用は、ダイムラーで70%、BMWで54%の削減をかなえたということだ。このクーラーも、基本的に一般家庭用クーラーと考え方は似ていて、少し熱くなってくれば冷気を強く送り、「もう十分涼しい」と思えば送風にというごくシンプルな考えで自動制御することで省エネをかなえているそうだ。

 クーラーを納めるラックの色指定は、ある程度まとまった数の受注であれば対応可能とのことで、工場内の景観に合わせることが可能だ。例えば、ダイムラーでは赤い筐体を採用している。

ブロードリーフ

 ブロードリーフは、工具メーカー向け情報データ管理システム「機工メイト II」と「Ex@Pad(エグザパッド)」を展示した。「機工メイト」は1992年、全日本機械工具商連合会から依頼を受け開発をスタートし、1994年から販売開始。以来、20年ほどかけて工具や切削関連のメーカー354社(製品数155万点以上)、卸商社7社(製品数175万点以上)のデータを蓄積してきた。そこに納められた販売や仕入れの履歴、価格などのデータが閲覧・検索できる。

Ex@Padのデモ

 Ex@Padは、自社サーバ内にあるデータをWebブラウザ経由で検索・閲覧ができる。機工メイトと併用すると、販売管理サイドの伝票類と製品図面をひも付けて検索可能だ。こちらはタブレットデバイスからも利用でき、営業現場で便利に使える。

 ほかに、作業者の映像を基に作業分析し、作業最適化ができるソフトウェア「OTRS V5」や、次世代Web会議システム「BL.Meeting」も展示した。

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