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» 2012年12月28日 10時00分 UPDATE

大人も子どもも、コマを回して遊びましょう:年末年始に見たい2012年「コマ大戦」動画まとめ (3/3)

[小林由美,MONOist]
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東海予選 名古屋場所――黒い異端児

 東海予選 名古屋場所は2012年11月10日、展示会「メッセナゴヤ 2012」(会場はポートメッセなごや)の催事の1つとして、特設ステージ上で開催されました。テレビ番組の「世界一受けたい授業」(日本テレビ)の工場見学解説でよく知られる神戸国際大学 中村智彦教授、歌手のAOIさんも審査員として登場しました。

 優勝したのは、大会公式ゲージを提供していたクリタテクノでした。喜びいさんだ同社 黒田正和さんは、手が滑って総取りしたコマをケースごと床にぶちまけてしまいました……(このシーンは動画にはありません)。


 この大会では、ルール改正のきっかけとなった“黒い異端児”が登場。カジミツのコマは、まるでボーリングのピンのような形状をしていました。この形自体は、φ20mmのゲージを通過したので問題ありませんでした。ところが、その対戦を見守っていた人たちの間で、賛否両論が巻き起こりました。細長い形状をしたこのコマは、縦に立って回るのではありません。回した瞬間に転倒し、そのままスピンして相手のコマをなぎ倒すのです。

 審議の結果として、この大会以降は「回転軸が変わるコマは禁止」「回転軸に対してφ20mm以内」というルールが追加され、定義が少し厳しくなりました。

九州沖縄予選 博多場所――若者活躍


 2012年10月24日、「モノづくりフェア 2012」(マリンメッセ福岡で開催)の催事として九州沖縄予選 博多場所が開催されました。この大会は、開催地地元の高校や高専チームの出場が目立ちました。球磨工業高等学校機械科、九州職業能力開発大学校、真颯館高等学校が準々決勝まで勝ち上がったものの、決勝戦はナカヤマ精密とHSKと、企業同士の対戦となりました。

 優勝したのは、ナカヤマ精密。このコマは、中心軸にセラミックス、外径リングに高比重の金属(非公表)を採用し、外側が重くなる慣性コマになっていました。コマのバランスを良くするために、接合の際は接合剤を使用せず、素材が持つ圧縮応力を利用したということです。

中四国予選 岡山場所――キヨスライダー

 2012年11月24日に備前長船刀剣博物館で開催した「中四国予選 岡山場所」で優勝したのは、広島からやってきた「日本折り紙ヒコーキ協会」。精密鋳造業のキャステムの社長 戸田拓夫さんが会長を務める協会、……ということで、何となく、大会とのつながりは分かっていただけるかと思います。戸田さんは、紙飛行機の室内滞空時間競技のギネス記録を持っているそうです。

yk_comatome2012_skk.jpg 中四国予選 岡山場所

 この大会のアーカイブがYouTubeに残っていなかったため、ここではUSTREAMのアーカイブリンクを紹介します。

 >>中四国予選 岡山場所

 日本折り紙ヒコーキ協会のコマは、さすがに飛行機の形状をしているということはなく、いたって普通の外見でした。しかし「キヨスライダー」という投法に、少々問題がありました。コマ大戦は「片手の指回し」というルールになっていますが、確かに……、両手を使っているように見えます。

yk_comatome2012_kiyo.jpg キヨスライダー

 動画をよく確認すると、コマをリリースする直前は片手のようには見えます。結論としては、ひとまず失格とせず、以降の大会から禁じ手とするということになりました。

近畿予選 京都場所――小さいけど強い


 2012年12月19日、東映太秦映画村で近畿予選 京都場所が開催されました。参加者の中には“いかにも太秦映画村らしい”時代劇のコスプレをしていた方も見受けられました。

 優勝したのは冷間圧造加工を得意とする大阪市のマツダ。大きなコマにはパワーがあるのでφ20mmの限度をフルに活用して製作するチームが多いのですが、マツダのコマはゲージを通すまでもないほどに、とても小ぶりな物でした。

 京都場所を仕切ったのは、「京都久御山ものつくり会議(C-AMP)」の方々でした。

これからの人材育成

 この記事で載せた動画は、お子さまが身近にいらっしゃれば、ぜひ一緒に見ていただきたいと思います。

 このコマ大戦が新聞やテレビ番組で報道されると、イベント自体の盛り上がりや、コマの形状、中小製造業の大人たちの活躍、パフォーマンスなどが、どうしても注目されがちです。しかし、この大会の“極めて大事な”意義があるのです。「これからの日本のモノづくりを担う人材を育成すること」です。

 大人たちがコマ大戦を楽しむ様子を家族や身内にいる子どもたちに見せることで、少しでも「モノづくりの楽しさ、素晴らしさ」を伝え、「自分もやってみたい」という気持ちを“なるべく年が若いうちに”起こさせることを目指しています。地方場所では、コマ大戦と併せて、子どもたち向けのイベントを開催するケースもありました。

 団塊世代の引退、技能伝承といった問題が叫ばれ始めてから、随分久しいです。しかし実際、どれだけ解決されてきたでしょうか。仮に技能伝承のルートが整ったのだとしても、まずそこに飛び込んできてくれる、日本のモノづくりに誇りを持つ“これからの世代”の存在が不可欠です。

まだ参加できます

 「いまからコマ大戦に参加してみたい」と思う方に朗報です。2013年2月7日の全国大会と同日に開催される敗者復活戦と、エキシビジョンとして開催される大田区場所(会場は大田区産業プラザ)のエントリーを受付中とのことです。詳しくは、コマ大戦の公式サイトにある案内をご覧ください。

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