船井電機が3Dバーチャル入力デバイスを開発、ピコプロジェクターを応用オートモーティブワールド2013

船井電機は、「オートモーティブ ワールド2013」において、3Dバーチャル入力デバイスを展示した。STマイクロエレクトロニクスのMEMSミラーを用いて開発したピコプロジェクタモジュールの応用事例となっている。

» 2013年01月21日 07時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
船井電機の「バーチャル・ユーザ・インタフェース」のデモ

 船井電機は、「オートモーティブ ワールド2013」(2013年1月16〜18日、東京ビッグサイト)のSTマイクロエレクトロニクスブースにおいて、3Dバーチャル入力デバイス「バーチャル・ユーザ・インタフェース」を展示した。

 バーチャル・ユーザ・インタフェースは、STマイクロエレクトロニクスのMEMSミラーを用いた船井電機の「レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュール」からテーブルなどに投影した映像を指で触れることにより、タッチパネルと同様のタッチ操作を実現できるバーチャル入力デバイスである。最大の特徴は、テーブルなどの投影面に対して高さ方向の指の動きも認識できることだ。

 指の位置を認識する仕組みは以下のようになっている。投影した映像を指で触れると、プロジェクターのレーザー光が指によって反射される。この反射光を、バーチャル・ユーザ・インタフェースの下部に組み込んだ光検出器(フォトディテクタ)を使って、投影映像のタッチ位置を検出する。指の位置は、レーザー光の走査タイミングと光検出器の検出タイミングから算出するので、撮像素子は必要ない。さらに、光検出器を上下に1個ずつ組み込んであるので、指が映像の投影面上にあるのか、映像の投影面よりも少し高い位置にあるのかを見分けられる。

「バーチャル・ユーザ・インタフェース」の仕組み「バーチャル・ユーザ・インタフェース」のデモ 左の図は「バーチャル・ユーザ・インタフェース」の仕組み。右の写真はデモの様子で、テーブル上に投影された将棋盤の上にある将棋の駒を指でタッチして上に持ち上げている状態。ここから指を動かせば、指と一緒に将棋の駒も動く。そして、再度指で将棋盤をタッチすればその位置まで将棋の駒を移動させられるというわけだ。写真の奥にあるのがバーチャル・ユーザ・インタフェースの本体で、上部に「レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュール」、下部に光検出器が組み込まれている。(クリックで拡大)

 船井電機は、バーチャル・ユーザ・インタフェースの他にも、自動車のヘッドアップディスプレイ(HUD)向けに、レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュールを提案している。「これらの応用事例を積極的に提案することで、レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュールの販売を拡大させたい」(同社)という。

船井電機の「レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュール」 船井電機の「レーザー・ピコ・プロジェクタ・モジュール」。モジュール容積は6cm3と小さい。(クリックで拡大)

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