スズキの「スペーシア」は「N BOX」より110kg軽い、「タント」とも比較東武特急じゃありません(1/2 ページ)

スズキは、トールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」を発表した。競合車種となるホンダの「N BOX」やダイハツ工業の「タント」と同等以上の室内寸法を確保しながら、次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の採用や従来比で90kgに達する軽量化によって、29.0km/l(リットル)という良好なJC08モード燃費を達成した。

» 2013年02月27日 07時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
スズキのトールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」

 スズキは2013年2月26日、トールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」を発表した。同社が2008年から販売してきた「パレット」の後継車種となる。「ワゴンR」や「アルト エコ」と同様に、減速エネルギー回生機構「ENE-CHARGE(エネチャージ)」をはじめとする次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」(関連記事1)を採用するとともに、パレットと比べて約90kgの軽量化を図って、2WDモデルのJC08モード燃費で29.0km/l(リットル)を達成した。良好な燃費の他にも、競合車種となるホンダの「N BOX」やダイハツ工業の「タント」を上回る2215mmの室内長を確保するなど、広々としたスペースをイメージさせるために採用した車名通りの車両パッケージも特徴となっている。販売開始は3月15日。月間販売目標台数は7000台である。

スズキのトールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」 スズキのトールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」(クリックで拡大) 出典:スズキ

軽量化を徹底、燃費は車格が1つ下の「ワゴンR」以上

 スペーシアの外形寸法は、全長3395×全幅1475×全高1735mm。2425mmのホイールベースを持つ新開発のプラットフォームを採用することで、室内長はパレット比で145mm増えて2215mmとなった。室内幅も40mm増えて1320mm、室内高も10mm増えて1375mmとなっており、室内寸法は大幅に広がった。

 ボディの42%に高張力鋼板を採用するなどして軽量化を徹底し、車両重量を840kgまで低減した。これは、パレット比で90kg、N BOX比で110kg、タント比で80kgも軽い。そして、2013年2月発表のアルト エコ(関連記事2)にも採用している改良型の「R06A型エンジン」や効率を高めたCVT、従来比で約30%薄型の新開発ラジエータを搭載。さらに、フロントハブ一体構造の車軸ベアリングの採用やリヤ車軸ベアリングの構造見直しによる回転抵抗の低減、軽量のブレーキキャリパーとブレーキディスク、転がり抵抗低減タイヤ、空力特性に優れた形状のフロントバンパーやウィンドシールドモールなどの採用によって、車両に掛かる走行抵抗も低減している。

 軽量化と走行抵抗の低減にスズキグリーン テクノロジーの燃費向上効果も加わって、29.0km/lという良好なJC08モード燃費を達成できた。これは、パレットの22.2km/l(2012年6月発売のアイドルストップシステム搭載モデル)を大幅に上回るだけでなく、スペーシアよりも全高が低く、車格が1つ下になるワゴンRの28.8km/lよりも良好な燃費である。ターボ搭載車や4WDモデルもJC08モード燃費は良好で、ターボ搭載の2WDモデルが26.0km/l、自然吸気の4WDモデルが26.8km/l、ターボ搭載の4WDモデルが25.0km/lとなっている。

「ワンアクションパワースライドドア」のスイッチ 「ワンアクションパワースライドドア」のスイッチ(クリックで拡大) 出典:スズキ

 パレットで好評だった後部座席の両側スライドドアは引き続き採用。「Xグレード」とターボ搭載の「Tグレード」は、後部座席左側に自動開閉するパワースライドドアを備えている。このパワースライドドアは、アウタードアハンドルに装備したスイッチを一度押すだけで解錠と自動開閉が可能な「ワンアクションパワースライドドア」で、軽自動車では初採用となる。

 マルチタッチ対応の6.2インチディスプレイを備えるディスプレイオーディオもメーカーオプションとして用意した。このディスプレイオーディオは、Androidスマートフォンとの連携によるカーナビゲーション機能も有している。

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