専用リモコンとクラウドで、「お父さん、帰りに牛乳買ってきて!」がスマートにESEC2013 速報

「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」のユビキタスと村田製作所の共同展示コーナーでは、クラウド連携買い物メモ「どこでも買い物メモシステム」を参考展示していた。これで全国の主婦の悩みである冷蔵庫の在庫管理が解決できる!?

» 2013年05月08日 17時26分 公開
[八木沢篤,MONOist]
どこでも買い物メモシステム

 2013年5月8〜10日まで開催中の「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」において、ユビキタスは、2012年12月に資本・業務提携を発表(関連記事1)した村田製作所との共同展示コーナーを設け、クラウド連携買い物メモ「どこでも買い物メモシステム」を参考展示した。

 冷蔵庫の中にある“在庫切れ”になった食材などを、専用リモコン(食材の名称がボタンに割り当てられている)でワンタッチで指定して、その情報をクラウドサービス上にアップロードし、手持ちのスマートフォンなどから閲覧することができる。


クラウド連携買い物メモ「どこでも買い物メモシステム」 クラウド連携買い物メモ「どこでも買い物メモシステム」のデモ環境。冷蔵庫のドアに付いているオレンジ色のデバイスが専用リモコンだ

 “メモ”というだけあって、その操作は非常にシンプルだ。例えば、冷蔵庫の中にある牛乳が切れた場合、それに気がついた人が専用リモコンの[牛乳]ボタンを押す。その情報が宅内のAP(Access Point)経由でインターネット上のクラウドサービスに送られ、管理される。その情報を出先にいる別の家族が帰宅前にスマートフォンなどで閲覧し、在庫切れの食材を買って帰るといった具合だ。「メモを書いて渡したり、出先にいる家族の誰かに電話したり、メールしたりしなくても、在庫切れの情報を共有し、どこからでも確認できる」(説明員)。展示会場では、iOS向けの専用アプリでクラウドサービス上の情報を閲覧・操作してみせたが、Webブラウザ上で閲覧・操作できるようにすれば、デバイスの種類やアプリのインストールの有無などにかかわらず、家族全員で同じ買い物メモを見ることができる。

どこでも買い物メモシステム 専用リモコンで入力した“在庫なし”の食材情報が、スマートフォン側のアプリに反映される

 「検討の初期段階では、冷蔵庫の中にあるものを全て管理しようと考えたが、女性社員からの意見を参考に『ないもの・なくなったものをすぐにメモできるもの』を目指して開発を進めてきた」(説明員)という。スマートフォンのアプリなどでもリモコン機能を実現できるが、「それだと、家事をしている濡れた(あるいは、油などが付いた)手でスマートフォンを触ることになる」(説明員)ため、専用リモコンで実現する案に行き着いたそうだ。

 専用リモコンには、STマイクロエレクトロニクスの32ビットアプリケーションプロセッサ(STM32F205 120MHz)とブロードコムのWi-Fiモジュール(BCM43362)を一体化した村田製作所製の「無線LAN Smartモジュール(LBWA1ZAYDZシリーズ)」を搭載。ユビキタスのソフトウェアプラットフォーム「Ubiquitous Network Framework」と、Wi-Fi Protected Access(WPA)サプリカントのソフトウェア「Ubiquitous WPA」を組み込んでいる。液晶ディスプレイなどは非搭載で、配置されているのはボタンのみ。電池で駆動する。なお、クラウド側の開発はユビキタスが担当しているとのことだ。

村田製作所製の「無線LAN Smartモジュール(LBWA1ZAYDZシリーズ)」 村田製作所製の「無線LAN Smartモジュール(LBWA1ZAYDZシリーズ)」

 今後の可能性として、「例えば、在庫切れの食材データと、近所にあるスーパーマーケットの特売情報をひもづけて表示させるなど、他のWebサービスと連携させることも考えられる」(説明員)という。

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