JTフォーマットの開発の狙いと仕様ISO国際規格に承認されたJTフォーマットとは(1)(1/4 ページ)

3D製品情報の可視化を軽量なデータフォーマットで提供できるJTフォーマットが国際標準化機構(ISO)に承認されました。JTフォーマットとは一体どういうもので、どういう仕様なのでしょうか。本連載ではJTフォーマットの仕様や開発の狙い、定義や構造などを取り上げます。第1回目となる本稿では、概要や開発目的について紹介します。

» 2013年05月09日 09時00分 公開

 JTフォーマットは、3D製品定義データの取り込みと再利用を可能にする製造業界向けの高性能で軽量、柔軟なファイル・フォーマットです。拡張エンタープライズ全体に渡り3D製品情報を用いたコラボレーション、検証、可視化を実現できることが特徴です。JTフォーマットはすでに数多くの製造業で利用され、その勢いは他の業界にも広がっています。

 JTのデータ表現は、要素の表現を強力にサポートするリッチなデータ・モデルを採用しています。またグラフィックス・データのコンパクトかつ永続的なアーカイブ・フォーマットとしても活用できます。その他、大規模なアセンブリ/モデルのインタラクティブ機能をサポートすることに加え、主要なすべてのMCADアプリケーションをサポートし、CADからの中立性を保ちます。

 JTデータは、ファセット・データのみを保持して最軽量化することも、オリジナルのCAD情報への関連性、アセンブリ、製品構成、ジオメトリ、属性、メタデータ、PMIなどを保持するリッチデータとすることもできます。さらに、複数のテッセレーションやレベルオブディテール(LOD)の生成もサポートします。

 JTフォーマットはストリーミング配信も可能であり、コンパクトで効率的な表現を実現する圧縮技術を備えています。またエンタープライズ向け変換ソリューションに統合して、全てのプロセスで3Dデジタルデータを生成することが可能です。軽量なWebベースでの表示から完全な製品デジタル・モックアップに至るまで、すべてのプロセスをサポートしていることも特徴です。

 すでに多くのソフトウェア・ベンダーが、主要なMCADシステムのデータをJTフォーマットに変換するトランスレータを開発しており、JTフォーマットは主要なエンタープライズ向けアプリケーションで利用されています。

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