高い圧縮率を実現するJTフォーマットの定義ISO国際規格に承認されたJTフォーマットとは(2)(1/3 ページ)

国際標準化機構(ISO)に承認されたJTフォーマットを解説する本連載。3D製品情報の可視化を軽量なデータフォーマットで提供できる仕組みはどういうものでしょうか。第2回目となる本稿では、各種定義について紹介します。

» 2013年05月15日 13時30分 公開

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基本的な定義

 JTファイルに含まれるデータは、ローカル座標系(LCS)、ノード座標系(NCS)、ワールド座標系(WCS)、視点座標系(VCS)内で定義されます。データフィールドの記述に特に指定がない場合は、ローカル座標系で定義されていると見なされます。

 また、JTフォーマットでは、Int32CDPとFloat64CDPの2種類の圧縮データパケットタイプがあります。

 Int32CDP圧縮データパケットは、整数型データや量子化された浮動小数点型データの両方の圧縮/エンコードに使用されます。一方、Float64CDP圧縮データパケットは、倍精度浮動小数点型データの圧縮/エンコードに使用されます。

 さらに、JTバイナリファイルで取得できるデータ型には、基本データ型と複合データ型の2種類があります。基本データ型は、符号なしバイト、符号なし整数、符号付き整数、浮動小数点数、倍精度浮動小数点数です。複合データ型は、一部の基本データ型のグループを示すために使います。

JTファイル構造

 JTフォーマットで表現される全てのオブジェクトには「オブジェクト識別子」が割り当てられます。またオブジェクト間の全ての参照は、参照先オブジェクトの「オブジェクト識別子」を使って表されます。JTファイルはブロックとセグメントのシーケンスから構成されています。ファイルの最初のデータブロックは常にファイルヘッダブロックとなっており、その次がTOC(Table of contents)セグメント、連続した他のデータセグメントへと続きます(図1参照)。

図1:ファイル構造 図1:ファイル構造

 ファイルヘッダは常にJTファイルの最初のデータブロックにあります。ファイルヘッダには、ローダーがファイルの読み取り方法を決定するのに使用する、JTファイルのバージョンおよびTOCの場所情報が含まれます。

 TOCセグメントは、ファイル内のファイルヘッダに保存されている情報を参照します。TOCセグメントには、ファイル内で指定可能な個々のデータセグメントを識別して場所を特定するための情報が含まれます。TOCセグメントには、指定可能な1個のデータセグメントに対して1個のTOCエントリーが含まれます。

 JTファイルに保存される全てのデータは、データセグメント内で定義されている必要があります。データセグメントは、それに含まれるデータの一般的な分類に基づいて「型指定」されます。

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