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» 2013年05月31日 09時00分 UPDATE

タグチメソッドのデータを解析しよう(2):データから正しく情報を取り出す方法を知っていますか? (1/5)

データ、データっていうけれど、情報をいくら持っていても使いこなせれなければ意味がありません。データはあってもちっとも品質が良くならないケースがどこの企業もありますよね。実はデータから有効な情報を取り出し、効果的に活用する方法があるんです。

[長谷部 光雄/タグチメソッドコンサルタント,MONOist]

前回はこちら

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 前回(第1回)は、データ解析の中でデータの数ではなく質が重要であること、ばらつきの中にこそ有用なデータがあること、などタグチメソッドの考え方を紹介してきました。第2回では、実際にデータから有効な情報を取り出す方法を解説します。

 データから有効な情報を取り出すには、変動自由度という概念を活用します。ともに難しそうな名前ですね。でも安心してください。分かりやすく説明します。要するに情報とは、データの中に変動という塊で、自由度の数だけ含まれているのです。それを取り出せばいいのです。

「タグチメソッドの誤解」を解消しましょう:
連載「本質から分かるタグチメソッド」

2−1.情報はこうやって分解する

データ分解の第1段階

 では、情報の取り出し方法について説明しましょう。まず、全データを平均値の情報とバラツキの情報に分解する方法を説明します。1番簡単なデータ数が2個の場合から始めます。a、b という2つのデータがあるとき、次の簡単な等式を考えてください。

(1) 数式2-1

 この等式が成り立つことは、暗算で分かります。左辺は単純なデータの2乗和です。そして他方の右辺ですが、第1項目はデータの和に相当する値です。正確にはデータの和の2乗の半分、または平均値の2乗の2倍になります。そして2項目は、2つのデータの差に相当する値です。

図2-2 2つのデータから得られる情報 図2-2 2つのデータから得られる情報

 ここで、データの和は平均値の要素と見なすことができ、データの差はばらつきの要素と見なせます。数式2-1の意味を、図2-2に表現しました。つまり「2つのデータa、b の2乗和は、概念的には、その平均値の効果とばらつきの効果に分解できる」ということが理解できると思います。

2乗することは面積で考えること

図2-3 2乗和分解のイメージ図(3次元表示) 図2-3 2乗和分解のイメージ図(3次元表示)

 視覚的には、図2-2ではなく図2-3のように3次元で表現すると、より数学的な意味でも理解しやすいと思います。データを2乗するということは正方形の面積を表しますから、数式2-1の意味は、左辺の2枚の正方形の面積の合計と右辺の四枚の正方形の面積の合計が等しいということです。


 つまり、全データの2乗の情報 = 平均値の2乗の情報 + ばらつきの2乗の情報に分解できるのです。

 2乗で取り扱うと、このように数学的な分解が簡単にできるため、統計解析処理ではデータの2乗が多用されます。数学的には2乗和の分解と言い、データ数が2個の場合に限らず成り立ちます。興味のある方は、3個の場合を試してみてはいかがでしょうか。それ以上は繰返しとなりますから。

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