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» 2013年06月06日 08時00分 UPDATE

心技隊流「未来を創るヒント」:アベノミクスの雰囲気を味方に! 町工場だって経済対策!

われわれも待ってるだけじゃなく、積極的に動こう! ――心技隊おかしらが説く、町工場でも実行できる経済を元気にする方法とは。

[緑川賢司/ミナロ,MONOist]
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 安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の成長戦略第2弾が発表された。その中で語られた1つが、観光立国だ。外貨を稼ぐには外国人に来てもらうのが一番だ!

 アベノミクスは、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3つの柱で構成されているが、町工場にだってできそうなこともある。

 われわれが既にやっている取り組みで、“それっぽい”のは……、機動的な財政政策は「チーム無駄遣い10%」。民間投資を喚起する成長戦略なら「全日本製造業コマ大戦」に該当するだろう。藤沢さんもやっていたクラウドファンディングは、金融政策かな?

 それ以外の策は、「町工場でも出来る経済対策」ということで、以下にまとめた。

編集部注:以下は緑川賢司氏のブログ「ミナログ」の投稿に加筆・修正したものです。

1.町工場の観光資源化

 日本にいながら手っ取り早く外貨を稼ぐには、外国人に日本に来てもらってお金を使ってもらうことだ。日本に来る観光客数は年間約800万人。これはフランスの観光名所 モンマルトルに来る観光客数と同規模だという。まだ日本に来てもらう手だてはあるはずだ。

 最近、外国人の工場経営者が、日本の町工場を見学したがっているというのをよく聞く。ミナロにもバングラデシュから見学に来るぐらいだし……。特に社会主義国の人々は、自分の意思では国外へ出られないので、「日本へ行ったこと」自体がステータスになるんだとか。

 そこで、まずはこちらで招待状を書き、ツアーを組んで、日本の町工場を見学して、お金を落としていってもらうのだ。さらには、大手企業が下請けとしか見なかった工場同士が国を超えて直接で合うことにより、取引が始まれば言うことなしだ。

2.中小企業的教育

 おかしらが学校に臨時講師として訪問する際、現場の方からよく言われることがある。

「生徒たちは、先生や教授が話しても無関心ですが、中小の経営者が教壇に立つと目が違うのです」

 その気持ちはよく分かる。毎日の退屈な授業より、外部から、“面白そうなおっちゃん”が来たら、そりゃ目も輝くだろう。多分、そういう経験は、ず〜と記憶に残っている。人は記憶の中から次の道を決定する答えを導く。つまり、若い内に、モノづくりの楽しさや経営者の心構えを伝えられれば、将来製造業に進む子や、経営者を目指す子も出て来やすくなるだろう。最近は、「子どもコマ大戦」が大人気なのも後押ししている。底辺が広がれば、てっぺんも高くなるのは当然だし。

3.日本を世界一にする町工場戦略

 日本以外のアジアのメーカーは、貪欲で、「利益のためなら容赦なし」といった印象を受ける。日本人の特徴である、「おもてなし」や、「お互いさまの精神」は、世界で戦うには、ときとして邪魔になる。

 そこで、日本の町工場が持つ技術を世界一にするために、キャンペーンを打ったらどうだろうか。

 例えば、2013年は“オールジャパン”で、金属加工のジャンルを徹底的にアピールしまくる。国内の産業系イベントでは、毎回、「日本一の金属加工屋」を決め、海外展示会への出展も全員「金属加工」と書かれた、「オールジャパンユニフォーム」を着て行く。その翌年、2014年は鋳造鍛造業、その翌年は複合材料樹脂加工業、など、毎年ジャンルを変えてやっていく。業種を絞って集中することで、世界にアピールできる深さも増すだろう。おもてなしや、お互いさまの精神が残る日本中小企業だからこそできることではないか。


 アベノミクスの良い雰囲気を、経済効果に転換するには、中小企業のわれわれも待ってるだけじゃなく、積極的にかかわることだ。「国や大手企業に任せていたら、われわれは死んじゃう!」と思う人たちは、ぜひ、命あるうちに行動しましょう!

心技隊からお知らせ:コマ大戦、世界へのはじめの一歩

2013年5月16日、インドネシアのジャカルタで、インドネシア金型工業会(IMDIA)主催で「全日本製造業コマ大戦」の模擬大会が開催されました。コマ大戦、いよいよ、世界大会へのはじめの一歩です。なお、ジャカルタ大会の本戦も開催される予定です。現在、中小企業の有志たちにより準備中です。現在、支援を募っているとのことです。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

>>全日本製造業コマ大戦 海外展開支援!(JustGiving Japan)



Profile

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緑川賢司(みどりかわ けんじ)

1967年横浜産の丙午世代。リストラを機に起業し、産業界的に絶滅危惧種の木型屋を10年間経営。その経験から「この先、日本経済の存続には中小企業しかない」と持論を展開。中小町工場団体「心技隊」の初代隊長を勤める。通称「おかしら」。



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