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» 2013年06月11日 07時00分 UPDATE

電気自動車:パイクスピーク参戦の「MiEV Evolution II」、制御機能開発を2週間で完了 (1/2)

ヒルクライムレース「パイクスピーク」に、電気自動車レースカーで2年連続参戦する三菱自動車。チーム監督兼ドライバーを務める増岡浩氏が、時速0〜100kmの加速時間が2秒台という「MiEV Evolution II」の開発取り組みなどについて講演した。

[朴尚洙,MONOist]
三菱自動車でパイクスピークに挑戦するチームの監督兼ドライバーを務める増岡浩氏

 米国コロラド州で2013年6月25〜30日まで開催さる自動車レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」に、三菱自動車が電気自動車(EV)レースカーで2年連続参戦する。2012年は、EVだけを対象とするエレクトリッククラスで2位という成績だったが、2013年はさらに性能を強化した「MiEV Evolution II」を用意し、内燃機関車を含めて総合トップを目指す。

 2年連続でチーム監督兼ドライバーを務めるのは、「ダカール・ラリー」で日本人初の2年連続総合優勝を果たした増岡浩氏である。車載システム開発ツールを手掛けるdSPACEが、東京都内で開催したユーザー会「dSPACE Japan User Conference 2013」(2013年6月7日)において、増岡氏が三菱自動車のパイクスピーク挑戦に向けた取り組みを講演したので、その内容を紹介しよう。


三菱自動車でパイクスピークに挑戦するチームの監督兼ドライバーを務める増岡浩氏 三菱自動車でパイクスピークに挑戦するチームの監督兼ドライバーを務める増岡浩氏

 パイクスピークは、ロッキー山脈の東端にある標高4301mのパイクスピーク(Pikes Peak)を駆け上がるヒルクライムレースである。標高2862mから頂上まで、150個以上のコーナーがある約20kmのコースの走行タイムを競う。「日本でいうと栃木県日光市のいろは坂でタイムトライアルをやっているようなイメージだ」(増岡氏)。

 走行距離が比較的短いこともあって、EVに最適な自動車レースの1つと言われている。さらに増岡氏は、「標高4000mでは、内燃機関車は40%近くエンジンがパワーダウンする。電力を使ってモーターで走行するEVはそのようなことが起こらない」と指摘する。

sp_130611dspace_02.jpgsp_130611dspace_03.jpg パイクスピークのコース概要(クリックで拡大) 出典:三菱自動車

 2012年は、三菱自動車の市販車開発を担当する日米のエンジニアが合同して、EVレースカー「i-MiEV Evolution」の開発に取り組んだ。増岡氏は、「若いエンジニアにとって、短期間で飛躍的に技術を伸ばせるレースカーの開発は極めて重要だ」と、自動車レース参戦の意義を説明する。

 初日の予選走行に臨んだi-MiEV Evolutionだが、コースアウトで滑落し、車体が損傷してしまう。一般的にはリタイアするような状況である。しかし、車体の損傷が当たり前のラリーに参戦してきた三菱自動車は、決勝まで3日間の猶予があったことから車体の修復を決断。「現地で手書きで図面を引きなおして、曲がったパイプなどの部品を作り直すなどして、何とか修復を終えた」(増岡氏)という。この状態から決勝レースで完走。走行タイムは10分30秒850で、エレクトリッククラスの2位という成績だった。

sp_130611dspace_04.jpgsp_130611dspace_05.jpg 左の写真は2012年参戦時のEVレースカー「i-MiEV Evolution」と開発チーム。右の写真は初日に起こったコースアウトの様子(クリックで拡大) 出典:三菱自動車
sp_130611dspace_06.jpgsp_130611dspace_07.jpg 不眠不休の修復作業により決勝レースでの走行が可能に。エレクトリッククラスで2位となった(クリックで拡大) 出典:三菱自動車
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