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» 2013年06月12日 10時00分 UPDATE

目指せT字型人材! 中小企業エンジニアのスキルアップ(7):これだけは知っておきたい! 中小企業政策 (1/2)

中小企業政策の資料は理解しづらい表現が多い……。苦手意識が強い方は多いのではないだろうか。今回は、できるだけ平易な言葉を使って、中小企業が国から受けられる支援や条件について説明する。

[三上康一/MPA所属 中小企業診断士,MONOist]

 「中小企業政策」というこの単語を見て、腰が引け気味になるという方は私だけではないと思います。かつての私が中小企業診断士になるために「中小企業政策」を学んでいた頃、テキストやパンフレットを読んでも、何が何だか分からず……、非常に強い苦手意識を持っていました。

 なぜ苦手だったのかというと、中小企業政策に触れ合う機会がなかったこともありますし、その説明には耳慣れない言葉が多く、理解に苦しむ表現が多かったからです。

 そこで今回は、中小企業政策の意義・概要に簡単に触れた上で、中小企業のエンジニアが知っておきたい国の支援策に絞って、可能な限り平易な言葉で説明をしていきます。

中小企業政策の意義

 まず、国内に中小企業がどのくらいの割合で存在しているのかを見ていきましょう(表1)。

yk_tjin6_01.jpg 表1 産業別規模別事業所・企業数

 これを見ると日本国内の全企業のうち、約99.7%の企業が中小企業です。つまり、国内のほとんどの企業が中小企業というわけです。

 これら中小企業が今以上に活性化することにより、どのようなことが起こるのか。例として以下のようなことが挙げられるでしょう。

  • 今以上に中小企業全体として支払う税金の総額が大きくなり、国は今以上に多くの税収を得られます
  • 今以上に雇用が生まれ、雇用された人はお給料を使って買い物ができます。雇用する企業は健康保険や雇用保険などの社会保険料の納入額が増加し、納めた社会保険料の活用がなされます
  • 今以上に設備投資も生まれます。設備投資は一般的に多額の現金が動きますから、設備を作る業者や設備を納入する業者、設備を設置する業者など多数の会社が潤う可能性があります

 この他にも中小企業が活性化することにより、さまざまなメリットが考えられるでしょう。

 そこで国は中小企業政策を立案し、中小企業が活性化するための支援策を用意しているのです。

中小企業政策とは

 以前の中小企業政策の理念は「大企業との格差是正」でした。現在は「独立した中小企業の多様で活力ある成長発展」となっています。つまり「中小企業を弱者と捉えるのではなく、中小企業が持つさまざまな特長を生かしていこう」という考え方になったのです。その政策理念に基づき、中小企業に対する各種支援策(施策)が講じられています。

 さて、中小企業が国の施策活用を検討する際には、施策を網羅した「中小企業施策利用ガイドブック」が参考になります。これは地域の「中小企業の駆込み寺」ともいえる商工会・商工会議所や、そのおおもとである中小企業庁などが冊子として無償で配布しています。記事の最後で、冊子がダウンロードできるWebページも案内します。

技術開発に対する支援策

 平成24年(2012年)度の「中小企業施策利用ガイドブック」を見ると、中小企業に対する施策は大きく「融資・リース・保証」「補助金・税制・出資」「情報提供・相談」「セミナー・研修・イベント」「法律などに基づく支援」といったテーマに分類されています。製造業を営む中小企業が、技術開発に取り組みたいというニーズに対応する施策をテーマごとに整理すると、表2のようになります。表2内の各種施策のうち、レ点が付いているものは、複数のテーマに対応した施策となっています

yk_tjin6_02.jpg 表2 テーマ別施策

 表2の施策のうち、レ点が付いているものを見ていきます。

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