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» 2013年09月20日 10時00分 UPDATE

製造現場で役立つ「画像処理技術」入門(4):画像処理製品の導入ポイント

製造現場における画像処理技術とは何か? その特徴や導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第4回のテーマは「画像処理製品の導入」についてです。カメラと画像処理ソフトウェアを例に、生産現場で失敗しないための製品選定のポイントを解説します。

[コグネックス,MONOist]
製造現場で役立つ「画像処理技術」入門

 本連載では、製造現場で用いられる画像処理技術にフォーカスし、その基礎・概要から、トレンド、導入事例に至るまでを詳しく紹介していきます。

 製造現場における画像処理技術とは何か? 本連載を通じ、その特徴やメリット、導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第4回のテーマは「画像処理製品の導入ポイント」です。



生産現場に強い製品を選ぶ!

 画像処理製品の導入ポイントは、ずばり「生産現場に強い製品を選ぶ」ことです。

カメラの選定

 まず、カメラを例に説明します。家電量販店などで安価に入手できるUSB接続の民生用カメラを利用し、画像処理装置を組み上げることも決して不可能ではありません。しかし、生産現場でそうした機器を使うのであれば、「いつ故障してもおかしくない」という覚悟が必要です。

 実際、ベルトコンベヤーで流れてくる生産品を撮影するため、非常に短い間隔(例えば、100ms)でカメラのシャッターを24時間切り続けるといった利用も当たり前のように行われています。当然、民生用カメラは、そのような過酷な状況で使われることを想定していませんから、故障することは目に見えています。

 故障が発生したら生産ラインを停止し、修理することになりますから、生産性が落ち、その分「お金」を失ってしまいます。安価な民生用カメラで代用したばかりに、巨額の損失を背負ってしまう……なんていう悲しい結果になるかもしれません。そうならないためにも、「工業用(産業用)」と銘打った頑丈なカメラを選定すべきです。

画像処理ソフトウェアの選定

 画像処理ソフトウェアについても同様です。ソフトウェアには、フリー(無料)で流通し、自由に利用できるものがあります。しかし、これらは画像処理の勉強や研究、趣味など、個人での利用には適していますが、生産現場で用いるには注意が必要です。

 ソフトウェア自身の品質管理に疑問がありますし、問題が発生した際に、そのソフトウェアの提供元が責任を持って対応してくれる保証もありません。これらソフトウェアの不具合が原因で生産ラインが止まったとしても、誰も助けてはくれません。だからこそ、ソフトウェア品質やサポートがしっかりしており、相談にのってくれるような体制を備えたメーカーから購入すべきでしょう。

 また、ソフトウェアの「使いやすさ」も重要なポイントです。生産現場は時間(スピード)が勝負です。さっさと画像処理装置を立ち上げて生産を開始し、段取り替えも容易で、トラブルが少なく、万一トラブルがあったとしても早急に対応できる使いやすい製品を選定すべきです。

 使いやすさを実現する上で、大きく2つのポイントがあります。1つは、当然ですが「操作がしやすいこと」です。もう1つは「画像処理アルゴリズムの性能が優れていること」です。画像処理の性能が優れていると、さまざまな要因の変化があってもトラブルを起こしにくくなります。例えば、生産ラインの近くに屋外への窓があったとします。昼間と夕方とでは光の入り方が違いますので、生産品の見え方も異なります。性能が劣る画像処理では、光の加減で対象物を認識できなくなるかもしれません。そうなると、それを解決するために現場は右往左往する羽目になります。

 また、金属部品に2次元コードが刻印してあるようなケースでは、油などの汚れで見えづらくなることがありますが、そのような場合でもコードを正しく読むことが画像処理装置には要求されます。

 画像処理の性能が優れていれば、使用者の手を煩わせることもないので、結果「使いやすい」と感じることになります。もちろん、これは人件費の削減という形で企業に利益をもたらします。



 理屈は分かっても、具体的に画像処理製品を導入するとなると、どこから手を付けてよいか分からないと思います。そのようなときは、まず専門家に相談するのが得策でしょう。例えば、コグネックス社は30年以上も工業用画像処理専門メーカーとして活躍しており、製品はさまざまな装置や製造ラインで使われています。製品ラインアップも豊富で、高性能な画像処理が小型カメラに組み込まれた「In-Sightシリーズ」(図1)、過酷な状況でも確実にバーコードを読み取れる「DataManシリーズ」(図2)、PCの処理パワーを使える画像処理ライブラリ「VisionPro」(図3)、シンプルで安価でありながらパワフルな画像センサ「Checkerシリーズ」(図4)などを取りそろえています。

 このようなメーカーに相談すると、皆さんの用途に適した製品を選定してくれることでしょう。(次回に続く)

In-SightシリーズDataManシリーズ (左)図1 In-Sightシリーズ/(右)図2 DataManシリーズ

VisionProCheckerシリーズ (左)図3 VisionPro/(右)図4 Checkerシリーズ


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