新日鉄住金エンジニアリング、世界初となる省エネ型二酸化炭素回収設備の商業一号機を受注FAニュース

省エネ型二酸化炭素回収設備「ESCAP」の商業一号機を受注。製鉄所の熱風炉燃焼排ガスを二酸化炭素回収源とする化学吸収法を用いた設備としては世界初となる。

» 2013年10月17日 08時00分 公開
[MONOist]
新日鉄住金エンジニアリング

 新日鉄住金エンジニアリングは2013年10月3日、新日鉄住金の室蘭製鉄所構内に計画されている液化炭酸工場における二酸化炭素回収設備を受注したと発表した。この設備は、同社が開発した化学吸収法による省エネ型二酸化炭素回収設備「ESCAP」の商業一号機であり、製鉄所の熱風炉燃焼排ガスを二酸化炭素回収源とする化学吸収法による商業設備としては世界初となる。

 受注元はエア・ウォーター、エア・ウォーター炭酸、およびエア・ウォーター・プラントエンジニアリングであり、世界最高レベルの省エネ性能が評価された。室蘭製鉄所のESCAPの二酸化炭素製造能力は1日当たり120t(トン)、二酸化炭素純度は99.9%である。

 ESCAPは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究である「環境調和型製鉄プロセス技術開発(COURSE50)」の一環で開発した二酸化炭素回収設備。地球環境産業技術研究機構(RITE)と新日鉄住金が開発した化学吸収液を用い、反応プロセスなどに工夫を加えることにより大幅な熱エネルギー消費量を削減する。

photo ESCAPの概略プロセスフロー

 同社では今後、製鉄所や火力発電所、セメント工場などで発生する二酸化炭素含有ガスを活用したESCAPの提案を積極的に推進し、二酸化炭素需要の増大が見込まれる新興国の産業ガス向けに適用していく方針だという。

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