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» 2013年11月06日 19時20分 UPDATE

CEOの息子も3D化してグッズ化:企業向け事業はクラウドで、個人向け事業は楽しいモノづくりで伸ばす――オートデスク

オートデスク米国本社の社長兼CEOのカール・バス氏は、同社の企業向けと個人向けの事業について語った。モノづくりプロジェクトのシェアコミュニティー「Instructables」の日本語版と、同社が買収したソフトウェア会社 独バーチャルシェイプリサーチの件についても触れた。記事後半で、CEOが作った面白グッズも紹介。

[小林由美,MONOist]

 オートデスクは2013年11月6日、ビジネス概況と、日本とグローバルにおける事業戦略に関する記者発表会を開催。オートデスク 米国本社の社長兼CEOのカール・バス氏が、それぞれ性質が異なる企業向けと個人向けの事業について語った。2013年11月に発表した、独ソフトウェア会社のバーチャルシェイプリサーチ(Virtual Shape Research)買収、モノづくりプロジェクトのシェアコミュニティー「Instructables」での取り組みに関して紹介した。

yk_autodesk2013_01.jpg オートデスク 米国本社の社長兼CEOのカール・バス氏

 オートデスクの日本における売上高は米国に次いで2番目であることから、同社では日本市場を重要視しているという。2012年度の同社売上高(全世界)は2億7800万米ドル。そのうち日本の売上は1割ほどだという。日本の2013年度上半期(2013年2月〜7月)の売上については、前年同期比で10%増えたという。

 同社は今後、2018年度までに売上高(全世界)を現状比で12%ほど増加させる計画だという。レンタルライセンスやクラウドサービスなど新しい事業モデルにより新規顧客を開拓し、2018年度までにユーザー数を現状比で50%ほど増加させたいとのことだ。新事業モデルの提供については、従来の保守契約ライセンス数の増加や、ユーザーが利用するソフトウェアの種類の拡大も狙いとしている。

 既にクラウドサービスとして一定のユーザー数を確保している「Autodesk

360」のサービス拡充も図る方針だ。「クラウドサービスの『Autodesk

360』では、シミュレーションなどのコンピュータリソースを補填できるようなサービスを提供する。また映画、自動車、建築といったさまざまな業界では、社内外の組織でのコラボレーションが必須である。Autodesk 360は、そのビジネスにおけるコミュニケーションスポットとなる」(バス氏)。

独バーチャルシェイプリサーチの買収

 オートデスクは2013年11月6日に、独バーチャルシェイプリサーチの買収を発表した。バーチャルシェイプリサーチは、自動車業界向けのサーフェスモデリングツールやコンセプトデザインツールを提供してきた。その技術を取り入れ、「Autodesk Alias」など自動車向けツールの連携を図るという。今後は新たな人材を投入して次世代の概念設計/サーフェス設計ソリューションを開発していくという。「自動車業界の地位を確保するため、今回のような投資をする」とバス氏は説明した。

yk_autodesk2013_02.jpg 独バーチャルシェイプリサーチの買収について

 バーチャルシェイプリサーチが提供してきた「Rhino」向けプラグイン「VSR Shape Modeling」は、オートデスクのオンラインストアから提供していく予定だが、日本での提供時期は現時点では未定ということだ。

 自動車関連の事例としては、オートデスク製品を標準ツールとしている英国の自動車メーカー アストンマーチン(Aston Martin)を紹介した。同社の「one-77」は、77台しか生産しない限定モデルだ。同社はリアルな製品ビジュアルを制作して営業に利用し、実機を作る前に、77台のうちの4分の3を販売したという。

yk_autodesk2013_03.jpg アストンマーチンが制作した製品ビジュアル

個人向けの分野について

 バス氏は同社の個人(コンシューマ)向け事業についても紹介した。

 2013年11月5日に公開した、モノづくりプロジェクトのシェアコミュニティーInstructablesの日本語版では、自分が持つモノづくりのハウツー(材料や作り方)を公開できる。写真や動画、文章が投稿できる。投稿されたハウツーを改良することも可能だ。ここでいう“モノづくり”には、手芸や料理も含まれている。サイト内のプロジェクトはユーザー登録しなくても閲覧可能だ。無償のモバイルアプリは、iPhone版とAndroid版がある。

 既に登録されているプロジェクト数は10万件以上で、毎週1600万アクセスがあるという。同サイトには「Autodesk 123D」(123D)のコミュニティーグループも備え、123D側からもアクセスができる。

 ちなみに「もっとお気軽に自分フィギュア化! 3Dプリンタ用3Dモデルを作ろう」で紹介した、オートデスク日本法人の有志による「3Dフォトブース」の作り方もInstructablesで公開されていた。

yk_autodesk2013_04.jpg Instructablesの中にあった3Dフォトブース」の作り方

 バス氏もInstructablesに参加していて、ユーザーからコメントに丁寧に返信していた。ただ最近は投稿していないようだ。発表会では同氏の作品「秘密の物を隠せる段ボール製頭像」を紹介していた。

yk_autodesk2013_05.jpg Instructablesに参加するバス氏の作品「秘密の物を隠せる段ボール製頭像」:モデルはバス氏の息子。頭の中は空っぽ(ケースなので……)。さてバス氏なら、そこに何を隠すのか。

 123Dなど個人向けツールのユーザーは、現在、全世界で1億5000万人いるという。(関連記事:「なぜクラウド製品や個人向け製品に取り組むのか」)。無償ツール「Autodesk 123D」や、「Instructables」のようなSNS、各種モバイルアプリ(無償・有償)提供などが中心となる個人向け事業の売上規模は、企業向け事業の規模と比べてしまえば、当然ながら「それほど大きくはない」とバス氏は言う。収益源は有償モバイルアプリやパートナー企業とのタイアップ、サイト広告やコンテストのスポンサードなど。2013年度の個人向け事業の売り上げについては2000万ドルを見込んでいるという。

yk_autodesk2013_06.jpg 同社日本法人は「Maker Faire Tokyo 2013」に出展:半分ボランティアで個人のモノづくりを応援している。
yk_autodesk2013_07.jpg バス氏自身も趣味のモノづくりを楽しんでいる。写真は同氏の自宅にある工房。

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