連載
» 2013年11月07日 11時00分 UPDATE

甚さんの「コミュニケプレゼン」大特訓(2):ラポールでギスギスしたコミュニケーションを円滑にする (1/4)

いきなり説得から入らずに、まずは気持ちや状況の共有(ラポール)から。それが、コミュニケーションをギスギスさせないポイントだ。

[國井良昌/國井技術士設計事務所(Active Design Office),MONOist]

当連載の登場人物

甚

根川 甚八(ねがわ じんぱち)

根川製作所 代表取締役社長。団塊世代の大田区系オヤジ技術屋。通称、甚さん

良

国木田良太(くにきだ りょうた)

ADO製作所 PC事業部 設計2課 勤務。甚さんいわく「イマドキな若者」。機構設計者。通称、良君


エリカ

沢田恵梨香(さわだ えりか)

ADO製作所 PC事業部 設計2課に勤務する派遣社員。良君のい〜加減な設計を製図でしっかりフォローする優秀な設計アシスタント。製図専門学校卒。通称、エリカちゃん


*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。


前回のまとめ

  1. 日本企業に「手抜きの設計」と「5N(5“ない”)企業」が繁殖中。
  2. 隣国企業の技術者は、年俸制の業務指名制。プロの野球やサッカー選手と同じで、実力と指名がなければ仕事は来ない。
  3. 全ての職人は「修行」から入るが設計職にそれはない。いきなりの「製図」「構想設計」「加工知識」である。これでいいのか?
  4. 新人設計者の心得とは、設計者を取り巻く人々とのコミュニケーション力およびプレゼンテーション力のスキル、略して「コミュニケプレゼンスキル」である。設計スキルの頂点でもある。
  5. 設計者の「修行」とは、「コミュニケプレゼンスキルアップ」である。


良

設計の頂点とは、「最高の技術力や設計力」と思っていましたが、何度も甚さんからの説明を受けて、僕も納得しました。設計の頂点とは「コミュニケプレゼン」(コミュニケーション力&プレゼンテーション力)なんですね。


甚

おぉ、そうよ。今回は理解が早ぇ〜じゃねぇかい。


 設計者にとってのコミュニケプレゼンの重要性を理解できたと思います。しかし、そのコミュニケプレゼンに関して、営業向けや管理職向けの書籍やセミナーは豊富に存在していますが、技術者向けのそれが見当たりませんでした。

 ひどい場合は、営業向けや管理職向けのコミュニケプレゼンセミナーに、技術者達を無理やり押し込んでいる企業も散見されます。

 かつて、筆者も「聞く力」や「傾聴力」などと称するセミナーに強制参加させられました。受講者同士が向き合って「傾聴」する実習がありましたが、これまさしく、営業向けのコミュニケプレゼンセミナーで、閉口してしまいました。

 技術者には“技術者の向け”の「コミュニケプレゼン」が必要です。

yk_jincomu01_03.jpg 表1 コミュニケプレゼンスキルアップの各種道具(「ついてきなぁ!設計心得の見える化『養成ギブス』」日刊工業新聞社刊より)
甚

前回伝えたように、自分に合っていそうな道具は選んできたか?


エリカ

私は「ラポール」と「3秒ルール」です。


良

僕は「6W2H」と「PDPC」かな。


甚

おぉ、2人ともグッド・チューニング(Good tuning)だなぁ!


良

甚さん、もしかしてグッド・チョイス(Good choice)のことですか? チューニングだとクルマみたいですよ……ププッ!


甚

べらんめぇ、ていした違えはねぇってきたもんだぜぃ!


 第1回でも掲載した表1は、デパートや装飾店にあるショーウィンドウのようなものだと考えてください。お店では、まずショーウィンドウにの中にある商品の脇にある説明札を見ながらほしい商品を絞っていくと思います。そして2つか3つに絞り込んだら、店員さんを呼んで詳しい説明を受けますよね。本連載も、それと同じ進め方をしていきます。

甚

つまりオレサマは、ハウスマヌカンって訳だ。


良

え? ハウス……何ですか?


エリカ

カビ臭い単語ですね。


甚

ガタガタ言うんじゃねぇ! いいか? 「ハウスマヌカン」とは、江戸弁で「女モンのブランド服を売ってる店員」のことだぁ!!


良

どう考えても外来語でしょ、それ。


甚

いんや、江戸弁だ!!


エリカ

あの、それはどうでもいいので、その先を教えてください。


yk_jinsou01_jinkura.gif

……。


甚

……そんじゃよぉ、コミュニケプレゼンスキルアップのための“技術者向けツール”の1番目が、「ラポール」だぜぃ。ラポールとはよぉ……。


 ラポールとは「Rapport」とつづります。フランス語ですが、英語的には「ラポート」と発音します。どちらも既に外来の日本語になっており、マッサージ店やマンション、洋菓子店などの名前でもよく使われます。

 「Rapport」を和訳すると、心理学用語で何々と出てくる場合もあるかと思いますが、本連載では「共有」もしくは「目的を共通」と訳します。

 それでは、「ラポール」とは何か。良君とエリカちゃんに寸劇で解説してもらいましょう。

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