「アップル、サムスン以外はみんな危機」再生請負人が見た民生電機モノづくり最前線レポート(42)(1/2 ページ)

アリックスパートナーズは、民生用電子機器市場に関する調査結果を発表し、同業界の56%の企業が財務上危機的な状況にあり、業界全体が危機を迎えているという見通しを示した。

» 2013年11月14日 11時30分 公開
[三島一孝,MONOist]
kiki

 コンサルティングファームのアリックスパートナーズは2013年11月12日、グローバルのコンシューマーエレクトロニクス(民生用電子機器)業界の動向についての調査結果を発表した。調査結果によると同業界は米国アップルと韓国サムスン電子(以下、サムスン)という2大企業が売上高の成長と利益成長の多くを獲得する“勝者総取り”状態となっており、56%の企業が財務面での危機に陥っているという。

 同社は企業再生を中心としているコンサルティングファームで、米国ゼネラルモーターズ(GM)や日本航空(JAL)など多くの企業の再建に関わっている。業界調査についてはこれらのコンサルティング業務で得られた知見をベースにまとめたもの。企業再生の観点からコンシューマーエレクトロニクス業界についても調査内容を示した。



アップルとサムスンの2強が“総取り”状態

 同社では、ホーム・エンターテインメントおよび家電、オーディオ・コンポーネントおよび機器、ゲーム関連の機器・ソフトウェア・オンラインサービス、プロ用・業務用付属品、電子コンポーネントおよび機器、教育関連、セキュリティ・システムおよび種々の付属品などから売り上げを得ている企業をコンシューマーエレクトロニクス業界の企業と定義している(PCなどのITや電子商取引関連企業は含まない)。

 同社の調査によると、これらの企業のうち56%が財務的危機に陥っており、アップルとサムスンという2強が、売上高成長と利益の大半を獲得している状況だと指摘する。

 アリックスパートナーズ・アジア・エルエルシー ディレクターの小野寺寛氏は「コンシューマーエレクトロニクス業界全体で需要そのものが弱まってきているため、市場全体が伸びない中、アップルとサムスンの2社が占有率を高めており、必然的にその他の企業が弱くなっている」と話す。

 2012年のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益)と売上高を基準に見ると、アップルとサムスンの2強の強さは際立っている。「2強以外」はさらに、「第2グループ4社(Next 4)」(パナソニック、ソニー、LG、シャープ)と「その他のすべて」(約50社の集団)に分けることができるという。「これを見るといかに“勝者総取り”の状況が顕著かが分かる」と小野寺氏は強調する。

2強 2012年の売上高を横軸、EBITDAを縦軸とし比較したグラフ(クリックで拡大)

 コンシューマーエレクトロニクス業界全体の売上高のほぼ半分は、この業界の二大企業であるアップルとサムスンによって生み出されており、2012年は、アップルが45%、サムスンが22%という大幅な増収を達成。さらに2社の利益(EBITDA)は業界他社の合計の4倍を超えている状況だ。「アップルはEBITDAで585億ドルを挙げているが、これはサムスンを除いた業界他社の合計の2.5倍を超える数字だ」(小野寺氏)。

2強比較 2012年の売上高と、EBITDAの「2強」「第2グループ4社」「それ以外」の比較(クリックで拡大)
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