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» 2013年11月22日 09時00分 UPDATE

化学業界専任キャリアコンサルタントが語る! 化学系エンジニアの転職最前線:“非”化学業界からの求人が増加中。広がる化学系技術者の転職先

転職市場においては化学メーカーで機械系・電気系エンジニアが求められている流れがある一方、反対に「化学業界以外で、化学系技術者が求められる」という流れが起こっています。

[MONOist]
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本記事はインテリジェンスが運営する転職情報サイト「DODA」の記事に加筆・修正して転載しています。



 化学業界を担当するキャリアコンサルタントの高村光児です。

 「化学の技術者は化学メーカーに転職する」、それが当たり前のように思われているかもしれませんが、最近はこの垣根が取り払われてきているように感じます。5月に当コラムでも「化学業界では今、異業種にいるエンジニアを求めている」と題して、化学メーカーで機械系・電気系エンジニアが求められているということをお伝えしました。

 今、これとは逆に「化学業界以外で、化学系技術者が求められる」という流れが起こっています。今回は、その事例を2つほど紹介しようと思います。

大手調味料メーカーで、樹脂の研究開発経験者を募集

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 1つ目は、誰もが知っている大手調味料メーカーの事例です。この会社は現在、研究開発職を募集しています。食品の開発をしている方を募集しているのかと思えばそうではありません。この求人の募集要件として必須となっているのは、「化学メーカーや半導体メーカーで樹脂材料を研究開発していた経験」です。

 実はこの調味料メーカーでは、コンピュータ用の絶縁フィルムも開発しているのです。この会社の中期経営計画を見たところ、コア材料を元に「食」以外の分野にも力を入れていることが分かりました。そのような方針から、バイオマス由来の合成ゴムやナイロンを他社と共同開発していたり、医薬中間体を製造していたりと、さまざまな商材を研究・開発しているのです。

 2つ目の事例も、食品メーカーです。世界進出もすでに果たし、グローバルに展開する食品メーカーですが、この企業も容器や包装材料の研究開発職を募集中です。

 以前なら、包装材料そのものは他の化学メーカーから購入して自社で成型する、もしくは既に成型されたものを購入していたはずです。ところが今は、商品開発を効率化するために、新機能を付加した容器や軟包材を自社で開発しようとしているのです。ただし、こちらの求人は純粋な研究開発というよりはプロセス寄りの仕事となっています。

「質の良いものを納得できる値段で売る」時代へ

 これもこちらの当コラムで書いたとおり、自動車メーカーや自動車部品メーカーの化学系技術者に対する採用意欲は引き続き非常に高い状況です。「樹脂の開発経験がある方」や、「無機材料の経験がある方」という求人が見受けられます。

 すべてのケースに共通するのは、「技術を内製しようとする企業が増えた」ということです。今までは材料などを化学メーカーから購入して製造していましたが、その材料を自社で作り出そうとしている会社が増えています。また、1つの商材に固執することなく、さまざまな事業を展開することで会社の存続を確かなものにしようとしています。これは、グローバルで戦うことのできるメーカーを目指していることにほかなりません。これまでの、量をそろえて売ることで売上が上がっていた時代は終焉を迎え、「質の良いものを納得できる値段で売る」時代へと変化しています。この時代では、製品寿命のサイクルも非常に早いため、次から次へと新しい製品を作り出さなければなりません。他社にまねされるような技術ではなく、独自路線の展開が必要になるのです。

 このような意味で、化学系技術者の道はさまざまに分岐します。自分の実力を十二分に発揮できる企業に転職するためには、転職先を化学メーカーだけに限定するのではなく、幅広い企業を対象として考えて転職活動を進めるべきでしょう。

 あなたの力がどんな企業で発揮できるかを相談してみたい方は、ぜひ私たちキャリアコンサルタントにお声掛けください。また、いきなり相談するのは気が引けるという方は、化学系技術者の方のための合格診断もお勧めです。

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