3DキャラのPVが簡単に作れる「キャラミん」で、3次元データ普及なるか?3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(29)(1/2 ページ)

自分の好きな音楽で、好きな3Dキャラを踊らせる「キャラミん」とは。また、それに秘められた3D-GANの志とは。

» 2013年11月28日 07時00分 公開
[水野操 テクノロジーコラムニスト/3D-GAN,MONOist]

 気がついたら、もう11月の最終週です。あと1カ月で2013年も終わってしまいます……。本日は、3D-GANの事務所にて3Dプリンタ「AFINIA」でとある仕事用のデータを出力しながら、この原稿を書いています。とにかく、3Dプリンタに追われてきた1年という実感が(まだ2013年終わってないけど)あります。

 さて、そんな3Dプリンタですが、「製造業か、一般の人か」を問わず、「3次元データを作れない」「3次元データが周囲にない」といったことが問題だということが認識され始めています。

 特に、一般の人については、ほとんどが「3次元データって何?」という状態なのは、この1年で、それほど変わってはいないでしょう。つまるところ、3Dプリンタを使うとか使わないとか言う以前の話として、ほとんどの人たちは「3次元データというものになじみがない」ということになります。もっと多くの人たちが、3次元データに日常から多く接するようになれば、3次元データがウンヌンという問題はなくなるのでしょう。

 それでは、どうやって普段からモノづくりなどに関係ない人たちに、3次元データに親しんでもらえばよいでしょうか。その手法はもちろん1つではないでしょう。引き続き、3D-GAN(3次元データを活用する会)がやってきたような、3Dモデリングと3Dプリンタを使った講座などを継続的に行っていくのも1つだと思います。でも、別な取り組みもあってよい、もっと言えば、別に「リアルな物体」にこだわる必要もないかもしれません。3次元データのよいところは、ワンソース・マルチユースなんですから。

 ということで、今回紹介するのは、「キャラミん」です。

キャラミんOMP起動時の画面

 

キャラミんって何?

 で、「その、『キャラミん』って何なの?」というところだと思いますが、3D-GANの代表理事である相馬達也さんから、いろいろとお話しをお聞きしたので、その内容を紹介していきます。キャラミんを開発した会社の1社が、相馬さんが代表を務めるツクルスです。

 さて、「キャラミん」とは、手短に言うと「誰にでも簡単に、3D(3次元)キャラクターのデータを使ったオリジナルのミュージックビデオが楽しめる音楽プレーヤー」ということです。

 ミュージックプレーヤーが「キャラミんOMP(きゃらみん おんぷ)」です。さらに、これをカスタマイズすることのできる「キャラミんStudio(きゃらみん すたじお)」もあります。

 つまりキャラミんは、音楽を通じて、3次元データにごく自然に親しむことができる環境、というわけです。

 

 このキャラミんというソフトを構成する技術は主に2つです。1つは、音楽解析技術、もう1つは3次元CG技術です。音楽解析技術で主に扱っているのがビート(拍)です。この2つの技術が合わさることで、音楽に合わせて3Dキャラクターを踊らせるということができるわけです。

 このような異なる2つの技術を使って開発されたキャラミんは、VPNなどで広く知られるソフトイーサとツクルスの2社からなる運営委員会で開発が進められたのです。3次元データが音楽と組み合わさることで、面白いものが開発できたというわけですね。

キャラミんの使い方

 ミュージックプレイヤーのキャラミんOMPの使い方ですが、すごく簡単です。

 まず、自分の好きな音源のMP3ファイルをドラッグアンドドロップします。

音楽ファイルの一覧画面

 後は自動的に、ドロップされた音楽の解析が始まります。前述の通り、主にビート、リズムといったものを解析するわけですね。この解析自体は4秒程度で終わっていまいます。

MP3ファイルのドラッグ&ドロップで解析が始まります

 解析が終了すると、これまた自動的に踊り出します。

踊り出します
動画が取得できませんでした
動画 踊っているところはこんな感じ……。すみません、音が取れていませんでした。

 キャラミんOMPの操作は、これだけです。ユーザーの作業としては、MP3ファイルのドラッグ&ドロップ以外はほとんどやることがないのです。とっても簡単ですね。

 さまざまな曲で自分のプレイリストを作れば、いろいろな曲で楽しめます。また、変えることができるのは曲だけではなくて、キャラクターやそのキャラクターが踊るステージも変更することができます。振り付けをやり直したり、カメラで撮影をしたりという楽しみ方もできます。

 3次元データに触れる第一歩は、「まずは簡単に使ってみる」ということですから、大いにありですね。

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