スズキが新型軽自動車「ハスラー」を発売、軽ハイトワゴンとSUVを融合エコカー技術

スズキは、新型の軽自動車「ハスラー」を発表した。同社は、ハイトワゴンタイプの軽自動車とSUV(スポーツ多目的車)を融合した新ジャンルの軽自動車だとしている。SUVらしく、全グレードに4WDモデルを用意。JC08モード燃費は、FFモデルで29.2km/l(リットル)、4WDモデルで28.0km/lを達成している。

» 2013年12月24日 13時20分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「ハスラー」の外観

 スズキは2013年12月24日、新型の軽自動車「ハスラー」を発表した。2014年1月8日に発売する。同社は、ハイトワゴンタイプの軽自動車とSUV(スポーツ多目的車)を融合した新ジャンルの軽自動車だとしている。SUVらしく、全グレードに4WDモデルを用意。減速エネルギー回生機構「エネチャージ」をはじめとする次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の採用により、FFモデルで29.2km/l(リットル)、4WDモデルで28.0km/lのJC08モード燃費を達成している。税込み価格は、最も安価な「Aグレード」が104万8950〜116万6550円、中位の「Gグレード」が112万7700〜133万4550円、「Gターボグレード」が129万5700〜141万8550円、上位の「Xグレード」が136万9200〜149万2050円、「Xターボグレード」が145万3200〜157万6050円。月間販売目標台数は5000台。

「ハスラー」の外観(左)と内装(クリックで拡大) 出典:スズキ

 ハスラーは、「東京モーターショー2013」で参考出品車として公開されていた。同展示会が終了した2013年12月1日から1カ月余りでの市場投入となる。また、今回発売するハスラーの他、クーペスタイルの「ハスラー クーペ」も展示していた。

「東京モーターショー2013」で展示した「ハスラー」(左)と「ハスラー クーペ」(クリックで拡大)

広い室内空間とラフロード走破性を両立

 ハスラーの最大の特徴となっているのは、ハイトワゴンタイプの軽自動車に並ぶ広い室内空間と、SUVを意識したラフロード走破性の両立である。

 プラットフォームは、スズキを代表するハイトワゴンタイプの軽自動車「ワゴンR」と共通である。さらに、車両前部のAピラーを立ててルーフの長さと幅をとることにより、車室内における頭上空間にゆとりを持たせた。

 ラフロード性能については、まず165/60R15という軽自動車としては大径のタイヤの採用が挙げられる。大径タイヤの採用とサスペンションストロークの変更で、SUVに求められる最低地上高も180mm(FFモデルの場合、4WDモデルは175mm)となっている。さらに、28度のアプローチアングルは、46度のデパーチャーアングルを確保して、起伏のある路面でもバンパー接地を低減できるようにした。加えて、足回り部品としてフロントスタビライザーを全グレードに採用。ショックアブソーバーの減衰力のチューニングにより、「安定感のあるハンドリングとクロスオーバー車らしい重厚な乗り心地を実現した」(スズキ)という。

 また、Aグレードを除く4WDモデルには、軽自動車としては初となる「ヒルディセントコントロール」と「グリップコントロール」を標準搭載した。ヒルディセントコントロールは、エンジンブレーキだけでは減速できない場合や、ブレーキペダルを操作して車両をコントロールするのが難しい場合に、ブレーキ操作を行わなくても時速約7kmの一定速度で坂を下ることができるシステムである。

「ヒルディセントコントロール」のイメージ 「ヒルディセントコントロール」のイメージ 出典:スズキ

 一方、グリップコントロールは、滑りやすい路面での発進時に、エンジントルクやブレーキが効果的に作動するように制御することでスムーズな発進をサポートする機能である。例えば、片輪が空転した際には、空転した車輪のブレーキ制御を早め、グリップ側の車輪に駆動力を集中させることで発進をサポートできるという。

「グリップコントロール」のイメージ 「グリップコントロール」のイメージ 出典:スズキ

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