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» 2014年03月13日 10時00分 UPDATE

Windows XPシステム移行問題:産業用PCのWindows XPシステム移行、あなたの会社に合う移行方法はどれ?

マイクロソフトによるWindows XPのサポートが2014年4月9日(日本時間)に終了する問題で、産業用PCの移行にも関心が高まっている。既に移行の駆け込み需要などが発生しているが、移行を円滑に行うにはどういう方法があるのかをあらためてまとめてみた。

[三島一孝,MONOist]
NEC

 マイクロソフトによるWindows XPのサポートが2014年4月9日(日本時間)に終了する問題で、工場などで利用される産業用PCの移行にも関心が高まっている。

 マイクロソフトのPC用OSであるWindows XPは、2014年4月9日(日本時間)の定期アップデートを最後に、セキュリティ更新プログラムの提供が終了する。セキュリティアップデートが行われなくなると、OSのセキュリティ上の弱点である脆弱性が解消されなくなり、さまざまな問題が発生する。組み込み用のOSである「WE XP Professional For Embedded Systems」についても同様の問題が発生する見込みだ。

 「Windows XP Embedded」については、2016年1月13日(日本時間)まで、セキュリティサポート期間は続くものの、これを機に最新OSへの入れ替えを検討する動きも増えているという(Windows Embedded製品のライフサイクル)。

 既に通常のPC用OSについては駆け込み需要が過熱しており、2014年4月9日までに製品の導入が間に合わない状況が発生しているというが、移行を円滑に進めるにはどういう方法があるのだろうか。3つのソリューションを提供しているNECに話を聞いた。



3つのWindows移行サービス

 産業用PCは、産業業務用途に特化した性能を持つPC製品で、「信頼性」「耐環境性」「長期供給」の3つが求められる点が一般向けPCと異なるといわれている(関連記事:工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕)。

 NECでは、産業用PCシリーズとして「FC98-NX」シリーズなどを展開しているが、同PCのWindows XPシステムの移行に向けて、以下の3つのサービスを提供する。

  • Windows 8.1/Windows 7移行サービス
  • Windows Embedded OS ポーティングサービス
  • Windows XP システム延命サービス

 「Windows 8.1/Windows 7移行サービス」は既存のPCのWindows XPを、Windows 8.1やWindows 7に移行するサービスだ。「Windows Embedded OS ポーティングサービス」は、既存のPCのWindows XPを、組み込み用OSである「Windows Embedded 7」や「Windows Embedded 8.1」に、ユーザーの求める機能を組み込んだ形で置き換えるサービスだ。

NEC エンタープライズ共通ソリューション開発本部 ESS事業センター シニアエキスパートの田靡哲也氏 NEC エンタープライズ共通ソリューション開発本部 ESS事業センター シニアエキスパートの田靡哲也氏

 NEC エンタープライズ共通ソリューション開発本部 ESS事業センター シニアエキスパートの田靡哲也氏は「Windows 7搭載の産業用PCへ機器そのものを置き換える提案を最優先に行っているが、製造業分野では既存の産業用PCを活用したいというニーズは非常に強い。そういうユーザーに、OSの移行サービスを提案する」という。

 現状ではシンプルなWindows 8.1/Windows 7移行サービスへの反応が最も高いというが「用途によっては組み込み用OSを利用した方が、ライセンス料も安く、メリットが大きくなる」と田靡氏は強調する。また「Windows Embedded 8.1 Industryであれば、通常のPC用OSであるWindows 8.1と内容は同じだと表明されているので、コンポーネントなども組み込みやすい。製造現場などでは一般用PCと業務用PCが混在するケースなども多いが『まずはそれらを用途によって仕分けしましょう』ということを提案している」(田靡氏)。

Windows XPシステムを延命する方法

 また、同社のサービスでユニークなのが「Windows XP システム延命サービス」だ。これは、Windows XPを搭載したシステムを、組み込み向けの「Windows Embedded Standard 2009」を使うことで、2019年1月まで“延命”するサービスだ。Windows Embedded Standard 2009はWindows XPをベースとしているため、利用していたアプリケーションの修正などが不要で、そのまま使い続けられるという。

 ただ同サービスはまさに“延命”措置で、抜本的な対策にはなっていない。「基本的には一時的な措置だと考えている。どうしてもWindows XPシステムの移行が間に合わない場合に業務に支障を来さないためのサービスだ。2019年までの間で、本格移行する時期についても、同時に検討を促している」と田靡氏は語る。

 一方、もう1つの延命サービスとして「クライアント仮想化ソリューション」なども人気だという。これは、Windows Embedded 8.1 Industry Enterprise搭載PCにおいて、Windows Embedded Standard 2009ベースの仮想PCを構築し、その仮想PCを通じて、既存のWindows XPの業務アプリを利用する、というソリューションだ。

 「新規OSへの移行において問題になるのが、Windows XPをベースとした業務アプリの継続利用だ。これらを継続して利用するために、Windows Embedded Standard 2009を使うというのが、延命サービスの考え方だ。これらを活用し日常業務を滞りなく運営しながら、業務アプリの新OS対応を進める時間を作れる」と田靡氏は話している。

クライアント仮想化ソリューション クライアント仮想化ソリューションの構成イメージ

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製造現場は、かつてのようなクローズドなものから、標準かつオープンな環境へとシフトし、製造現場全体を最適化するための新たな仕組み作りが求められている。その中で重要な要素を担うのが産業用パソコンだ。「産業用パソコン」コーナーでは、Windows XP移行問題を含む「産業用パソコン」関連の最新情報をお伝えしています。併せてご覧ください。


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