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» 2014年03月25日 16時00分 UPDATE

今井優杏のエコカー☆進化論(9):ジュネーブショーなのにスーパーカーよりコンパクトカーが目立ってる! (1/4)

例年、さまざまなスーパーカーが世界初公開される「ジュネーブモーターショー」。しかし今回(2014年)はコンパクトカーに注目が集まった。自動車ジャーナリスト・今井優杏さんが、独自の視点から今回のジュネーブショーをリポートする。

[今井優杏,MONOist]
ジュネーブショーなのにスーパーカーよりコンパクトカーが目立ってる!

 今月(2014年3月)のはじめ、「ジュネーブモーターショー2014」に行って来ました!

 そこで今回はちょっと趣向を変えて、ジュネーブショーの雑感をお話ししていきたいと思います。

 ジュネーブという場所で言えば、直近の話題として国連人権理事会の開催が大きく報じられるなど、多くの国際会議が開かれる世界都市です。その一方で、世界有数のセレブリティが住居や別荘を構える風光明媚(めいび)な高級居住区という顔も併せ持つ土地です。

 実はモーターショーにおいてもそのような土地の特性は色濃く打ち出されています。

 どういうことかといえば「中立的」で「派手」なのですよ。

 ジュネーブショーは、「東京モーターショー」に負けず劣らず小さな会場で行われるのですが、そこで公開されるワールドプレミア=世界初公開の数がハンパない!

 もちろんその世界初公開の数で言えば、2年に1回、ドイツのフランクフルトで開催される「IAAフランクフルトモーターショー」が突出しているのは事実です。IAAは、会場の広さも規模も比べものにならないくらい大きく広く果てしないですし(じっくり見たら3日間でも回り切れません)、またドイツに拠点を持つ自動車メーカーが多く、それらが2年の歳月をかけてこのモーターショーに照準を合わせて展示物を持ってきているので、華やかなのは当然。しかしジュネーブは、また別の意味で派手なのが有名なんです。

 それは、スーパーカーの展示や世界初公開が、世界中のどのモーターショーよりも抜きん出ていること!

 もちろんその理由は、「スーパーカーの“コアターゲット(顧客)”がジュネーブショーを見に来るから」です。

 近年の傾向として、IAAはエコに敏感なドイツというお国柄もあって、環境に関する技術が大きくクローズアップされた展示をメインにするメーカーが多いです(もちろん化石燃料の枯渇問題、厳しい排ガス規制に対応するためなど必要に迫られている感も否めないですが)。東京モーターショーは、日本が持つ最新技術……といえばこちらも大得意分野であるきちょうめんな環境技術を前面に押し出しています。

 ひっくり返せば、それらの展示は各自動車メーカーの綿密なマーケティングの結果、その国で一番ウケる技術を展示しているということでもありますよね。で、オカネモチがたくさん住むジュネーブではスーパーカーが見どころとなるわけです。

 さらにスイスは自国で自動車産業を持たない完全輸入国なので、どのメーカーに対しても中立的な立場を取っています。

 これもIAAを例にとれば、名物と言ってもいい、会場内の音楽ホールを1棟丸ごと使い切った「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)館」や、会場の真ん中の広場にどど〜んと特設会場を“造って”しまう「Audi(アウディ)館」、「BMW館」など、とにかくまぁドイツ陣営のハラに響くような暴れ太鼓っぷりが圧巻です。もちろん、東京モーターショーであれば、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダも、やはり大きなスペースを使って展示をしています。

sp_140325ecocar_evolution09_01.jpgsp_140325ecocar_evolution09_02.jpg 「フランクフルトモーターショー2011」で「メルセデス・ベンツ館」となった音楽ホール(左)と「アウディ館」(クリックで拡大)

 しかしジュネーブでは、予算感の差でちょっとした大小の違いはあるものの、建屋丸ごと借り切ってドカ〜ン! どや! みたいなブースはないのです。最大設営サイズも決まっているような感じで、サプライヤさんや、日本では聞いたこともないようなチューンアップ屋さんも同じエリアに同じような規模でブースを展開していて、フェアでクリーン。

 1つ1つのブースがコンパクトですから、テーマがギュッと凝縮されて見やすいというのも魅力だと感じました。

スーパーカーはジュネーブの華

 では、今回のジュネーブショーの注目モデルを見て行きましょう。まずは、ジュネーブの華とも言えるスーパーカーから。

 McLaren Automotive(マクラーレン)は、待望の「650S」を発表しました。排気量3.8l(リットル)V型8気筒ツインターボエンジンで最高出力は649.9ps、時速0〜100kmの加速時間はなんと3.0秒。

 次に、Lamborghini(ランボルギーニ)は、「ガヤルド」の後継「ウラカン」を発表。排気量5.2lのV型10気筒NA(自然吸気)エンジンで最高出力は610ps、時速0〜100kmの加速時間は3.2秒。

sp_140325ecocar_evolution09_03.jpgsp_140325ecocar_evolution09_04.jpg マクラーレンの「650S」(左)とランボルギーニの「ウラカン」(クリックで拡大)

 そして、Ferrari(フェラーリ)は「カリフォルニアT」を世界初公開。オープンの2+2モデルで排気量3.855lのV型8気筒ターボエンジンで最高出力は567.8ps、時速0〜100kmの加速時間は3.6秒です。

sp_140325ecocar_evolution09_05.jpgsp_140325ecocar_evolution09_06.jpg フェラーリの「カリフォルニアT」(左)とブガッティの「ヴェイロン16.4 VITESSE レンブラント・エディション(クリックで拡大)

 日本ではめったにお目にかかることのないBugatti(ブガッティ)は、限定モデル「ヴェイロン16.4 VITESSE」の「レンブラント・エディション」を発表。排気量8.0lのW型16気筒エンジンはターボチャージャを4つ備え、最高出力は1200ps、時速0〜100kmの加速時間は2.6秒。最高速度は時速408.84kmと、ここまで来たらもう意味がよく分かりません(混乱)。ちなみに限定3台、発表時点で既にソールドアウトだそうな。それもよく分からん(混乱・再)。思わず記念撮影してしまいましたよ……。

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