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» 2014年04月08日 10時00分 UPDATE

Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(3):圧電スピーカを利用した即席「ドラムパッド」を作ろう (1/3)

Webブラウザだけでプログラム開発から実行まで行える「Scratch 2.0」を用い、センサーの接続や外部デバイスのコントロールに挑戦! 今回は、振動センサーの代わりに圧電スピーカを利用した即席の“ドラムパッド”を作り、たたいたときの振動を計測する。

[今岡通博,MONOist]
Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング

 いよいよ今回から外部センサーをPCに接続して、「Scratch 2.0」のプログラムでセンサーの値を取得していきます!

 まずは、振動センサーの代わりに圧電スピーカを利用した、即席の“ドラムパッド”を作ります。たたいたときの振動、つまり、振動センサーからの信号を前回作成したオシロスコープで観測します。

 さらに今回は、はんだ付けにも挑戦し、今後の実験に必要な“マイク端子入力ケーブル”を作成します。なお、はんだ付けは苦手! という方のために、はんだ付け不要の【番外編】も用意しています。また、巻末には、今回使用する部品の一覧と入手先を示した部品表を掲載していますので併せてご覧ください(表1)。


 図1が、今回作成するドラムパッドの全体構成図です。この図のように、丸い箱(ドラムパッド)を鉛筆などでたたき、その振動をScratchのプログラムで可視化します。

ドラムパッドの全体構成図 図1 ドラムパッドの全体構成図

 回路図(図2)はとてもシンプルで、マイク端子入力用のプラグに圧電スピーカ(図3)をつないだだけです。

回路図 図2 ドラムパッドの回路図
圧電スピーカ 図3 圧電スピーカ(※出典:秋月電子通商)

 丸い箱の上ぶたの裏には、圧電スピーカを貼り付けてあります。この圧電スピーカが、箱をたたいた際の振動を感知して、その電気信号をPCのマイク端子に送り届けるのです。“スピーカ”とあるように、本来、圧電スピーカは電気信号を与えることで音が鳴る装置ですが、本稿ではこれを振動センサーとして流用しています

 圧電スピーカには、電圧を加えると収縮するセラミックの結晶が入っています。この性質のことを「圧電(ピエゾ)効果」といい、この効果を利用したデバイスのことを「圧電素子」と呼びます。電気信号により振動した圧電素子が、空気の圧力を変化させて音波を発生させます。

 ところが、この圧電効果は、電圧を加えて収縮するだけではなく、“逆の効果”も持ち合わせています。すなわち、“圧電素子に圧力を加えると起電する効果”です。今回はこの効果を利用することで、圧電スピーカを振動センサーとして用いています。

マイク端子入力ケーブルの作成

 本連載では、今後も、マイク端子にさまざまな外部センサーをつないで、Scratchと連携するプログラムを紹介していきます。そのため、図4のような入力ケーブルがあると非常に便利です。これは、マイク端子から伸びる2本のリード線に、ミノムシクリップを付けたものです。

 この入力ケーブルがあれば、ちょっとした実験ならブレッドボードやはんだ付けをすることなく、センサーの出力をマイク端子に入力できます。つまり、これ1本で、さまざまなセンサーの接続に使い回すことができるのです。

マイク端子入力ケーブル 図4 マイク端子入力ケーブルの全体図

 本稿の執筆に際し、同様の市販品がないか調べてみたのですが、なかなか見つからなかったので、思い切って自作することにしました。本連載では、なるべくはんだ付けをしなくても済むような配慮をしていくつもりですが、今後も必要になるものなので、この機会に、はんだ付けにも挑戦してみましょう!

プラグ側の処理

 では、早速作業に取り掛かりましょう。プラグ側、ミノムシクリップ側のどちらから先にはんだ付けしてもよいのですが、今回はプラグ側からはんだ付けしていきます。

3.5mm径3極ミニプラグ 図5 3.5mm径3極ミニプラグ(※出典:秋月電子通商)

 図5をご覧ください。今回は、3.5mm径3極ミニプラグを用います。マイク入力の場合、3極のうち2極しか使っていません。

3.5mm径3極ミニプラグのはんだ付け 図6 3.5mm径3極ミニプラグのはんだ付け

 図6(A)が、3極ミニプラグのピンアサインを示したものです。プラグのハウジングを外した図になっています(反時計回りにハウジングを回すと外れる)。①がマイクの入力信号線になります。③がグランド(アース)となります。この2本を外に出して、それぞれをミノムシクリップに取り付けます。プラグ①ピンと③ピンをあらかじめはんだメッキ(はんだ付けする箇所をはんだでコーティングする)しておきます。


 次に、適当な2芯のコードを用意し、先端を3mm程度むいて、中の導線が露出するようにします(図6(C))。こちらも同じように導線部分をはんだメッキしておきましょう。コードとプラグをはんだ付けする前に、必ず、コードをハウジングに通しておきます。

 今回は、プラグ側を先にはんだ付けして、後からミノムシクリップ側をはんだ付けする手順となりますので、ハウジングにコードを通し忘れても問題ありません。ただ、この逆の手順で作業してしまうと、どちら側からもハウジングを通せなくなり、はんだを取り外し、もう一度はんだ付けをやり直す羽目になってしまいます……。

 図6(D)のように、1番ピンと3番ピンに2芯コードをはんだ付けします。黒色のコードをグランド側に配線するのが一般的です。はんだ付けが完了したら、コードの根元を3番ピンの広がった金具の間に挟んで、ラジオペンチなどでかしめてください(“かしめる”とは、接合部分のつめや金具をつぶすなどして挟み込んで固定すること)。これは、コードが引っ張られたとき、はんだ付けした箇所に直接ストレスがかからないようにして断線を防ぐための処置です。プラグは金属でできていますので、はんだ付けの際、プラグ全体が加熱されます。火傷する可能性があるので、直接手でプラグに触らないよう気を付けてください。プラグが十分に冷めたことを確認してから、次の作業に移ってください。最後に、ハウジングをねじ込んだらプラグ側は完成です。

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