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» 2014年04月10日 17時00分 UPDATE

プロトラブズの新女性社長が来日:金属粉末射出成型とシリコンゴム成形サービス、欧米で先行提供。今後は日本でも

米プロトラブズの新CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏が米国と欧州で先行して提供開始した新サービスや同社ビジネスの概況について語った。日本に先行して欧米では金属粉末射出成型とシリコンゴム成形サービスを提供している。

[小林由美,MONOist]

 2014年2月6日付で着任した 米プロトラブズの新CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏が来日し、米国と欧州で先行して提供開始した新サービスや同社ビジネスの概況について語った。

 プロトラブズは、単品加工や小ロット生産を得意とするオンラインの切削加工・射出成形メーカーだ。同社Webサイトに3次元モデルをアップロードすることで見積もりや発注などが行える。ホルト氏は、かつて化学メーカー Spartech(NYSE:SEH)の社長兼CEOとして企業再建に携わった人物。過去は、いくつかのメーカーでマネジメントや営業、マーケティングのリーダー職を歴任してきた。

 プロトラブズの2013年度の売上高は、全社で年間30%(前年比)以上の成長があったという。「今後も売上高で少なくとも年間25〜30%(前年比)アップの継続は可能と見ている」(ホルト氏)。

 同社の成長を加速させるための主な策としては、ホルト氏は下記を挙げた。

  • 市場のさらなる拡大:製品開発者を支援するサービスを提供する中で、さらに認知度を高める。それを達成するための営業とマーケティングの強化
  • 既存サービスの多角化:さらに複雑な形状や、ユーザーニーズに対応する
  • 新サービスの開発および提供:米国本社のR&D部門「ProtoWorks」による画期的な新サービス開発

 下記、同社の射出成型「Protomold」の2サービスは現在は欧米で先行して提供しており、日本法人での提供も検討中だ(日程などは未定)。日本から発注したい場合、欧米のプロトラブズのサイトから依頼すれば、輸出扱いで対応が可能だという。

  • 液状シリコンゴム(LSR:Liquid Silicone Rubber)成形
  • 金属粉末射出成型(MIM:Metal Injection Molding):対応材料はステンレス鋼316Lおよび17-4PH
yk_protolabs2014_01.jpg 金属粉末射出成型による部品(エンクロージャ)

 同社の金属粉末射出成型の設計条件は、樹脂の射出成型と非常に似ているが、対応可能な部品サイズや細部形状の条件などが異なっている(参考:「金属粉末射出成型の設計ガイド」英語)。

 同社の射出成型サービスでは現在小型部品がメインだが、大型部品も徐々に対応を広げている。なお、インサート成型や、アクリル系熱可塑性エラストマーの成形サンプルプレート提供など日本法人独自のサービスもある。

 今後登場するだろう新サービスも、上記のような既存サービスをベースとして多様化したものになるという。「あくまで当社の最大の特徴である『スピード』が損なわれないように、新サービスを検討している」(ホルト氏)。

 いまブームとなっている3Dプリンタ(3次元積層造形)だが、同社サービスでは対応していない。プロトラブズとしては「意義あるブーム」(ホルト氏)と考えているという。3Dプリントサービスと同社サービスとでは、「3次元データ」という共通項があるが、製品開発プロセスにおいて得意な部分が異なり「お互い補完し合う関係」だとホルト氏。「将来、当社の製造サービスとして3次元積層造形の技術が加わったとしてもおかしくはない。“合理的な候補”」とも述べた。

 プロトラブズは日本法人と同様に、米国本社のユーザーも業種を問わず、かつ個人から大手企業まで幅広い。大手ユーザーでは、フォード、ノースロップ・グラマン、フィリップス、シーメンスといった企業が名を連ねる。ユニークなところでは、アメリカのバラエティ番組「MythBusters」の制作でも使われたということだ。

 小規模なメーカーの事例としては「Cuppow!」(カッパウ)の例を挙げた。同製品は、身近にある保存用ビン(メイソンジャー)に、ファストフード店のカップのような飲み口を加えることで携帯用マグに変えられるというアイデアグッズ。メカ設計者のAaron Panone氏と、友人の生物医学工学者Josh Resnikoff氏が開発した。Cuppow!の試作段階でプロトラブズが活用された。

yk_protolabs2014_02.jpg 米プロトラブズの新CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏

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