IoT時代、ロームが注目する近距離無線通信技術無線通信技術

ロームが「近距離無線通信技術」に関する説明会を開催した。スマートフォンやウェアラブル機器の普及で市場拡大が見込まれる同領域において、「低消費電力」を強みにシェア拡大を目指す。

» 2014年04月11日 17時00分 公開
[上口翔子,MONOist]

 「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」が注目される中、キーとなる技術の1つが近距離無線通信技術だ。通信速度の速いWi-Fi(無線LAN)、Bluetooth、ZigBeeに加え、通信距離が長いサブギガヘルツ帯の特定小電力無線まで、世の中には数多くの規格が存在する。

 かねてよりBluetoothやWi-SUN、EnOcean、HD-PLCなどの通信分野に注力するロームは2014年4月4日、市場が拡大する「無線通信技術」の最新動向に関するセミナーを開催。スマートフォンやウェアラブル機器、HEMSなどのアプリケーションが市場をけん引する中、同社が2014年に注目する無線通信技術を発表した。


画像1 ロームと同社子会社のラピスセミコンダクタが取り組む近距離無線通信の領域

 ロームが注目する無線通信技術の1つは、スマートメーターやHEMS、スマートコミュニティーなどをターゲットとした特定小電力無線「Wi-SUN」だ。近距離無線通信の中でも、サブギガヘルツと呼ばれる1GHz未満の無線周波数帯(日本の通信事業者がプラチナバンドと呼ぶ800〜920MHz帯など)を使用しており、通信距離が長いことや建物の障害物に強いといった特徴を持つ。国内では東京電力がスマートメーターでの採用を決定している。

画像2 特定省電力無線の活用領域

 もう1つが、Bluetooth 4.0で追加された「Bluetooth Low Energy(BLE)」。ウェアラブル端末やスマートフォンをトリガーに普及が見込まれる低消費電力通信規格である。コイン電池で駆動できる点や2011年秋に発売したiPhone 4Sをはじめとする各種スマートデバイスと接続可能なことで注目を集めている。

 ロームはこの2つの技術領域においてLSIを開発しており、特にBLEの分野では受信時/送信時の消費電力がいずれも10mA以下と、業界トップレベルの低消費電力を実現している。数年内にはさらに半分の4mA以下を実現し、業界トップ3を目指すとしている。

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