ダイムラーがハイブリッド車を“知性化”、減速エネルギーを無駄なく回生エコカー技術

Daimler(ダイムラー)は「Intelligent HYBRID」と呼ぶハイブリッド車向けのエネルギー管理システムを開発した。下り坂に差し掛かる前に、モーターによる走行アシストを積極的に使用して二次電池パックの空き容量を確保してから、降坂時の減速エネルギーを無駄なく回生するというものだ。

» 2014年04月18日 19時00分 公開
[MONOist]
「Intelligent HYBRID」の動作イメージ

 Daimler(ダイムラー)は2014年4月17日(欧州時間)、「Intelligent HYBRID」と呼ぶハイブリッド車向けのエネルギー管理システムを開発したと発表した。

 ハイブリッド車の燃費が良好である理由の1つに、減速時のエネルギーを発電機で回生し二次電池パックに蓄電できることが挙げられる。しかしダイムラーによれば、下り坂などの減速エネルギーの回生を効率よく行える場所では二次電池パックがほぼ満充電状態になっていることが多く、このため減速エネルギーが無駄になっているという。

 Intelligent HYBRIDでは、同社の車載情報機器「COMAND」のカーナビゲーションを使って、走行ルート上にある下り坂に差し掛かる前に、モーターによる走行アシストを積極的に使用して電力を消費し二次電池パックの空き容量を確保する。こうすることで、下り坂における減速エネルギーを無駄なく回生できる。もちろん、下り坂の前のモーターによる走行アシストを行っている間は、エンジンの燃料消費が抑えられ、二酸化炭素排出量も削減できる。

「Intelligent HYBRID」の動作イメージ 「Intelligent HYBRID」の動作イメージ(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 走行ルート上における減速エネルギーの回生を効率よく行える場所のデータは、自車位置から7km先まで1m区切りで提供される。CPC(セントラルパワートレインコントローラ)は、このデータと現在の二次電池パックの充電状態、車両重量、ドライバーの運転操作の傾向などを基に、最適なモーターによる走行アシストやエンジンの制御を行う。

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