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» 2014年04月25日 12時30分 UPDATE

今井優杏のエコカー☆進化論(10):スバル「レヴォーグ」はエコも走りもアイサイトもスゴい! (1/3)

富士重工業が、「レガシィ ツーリングワゴン」の後継モデルとして開発した「レヴォーグ」。排気量1.6lのDITエンジン搭載モデルは「1タンク1000km」の走行が可能なエコ性能を持ちつつ、走行性能も十分。第3世代「アイサイト」の機能もちょっとした自動運転レベルで、スゴいクルマに仕上がった。

[今井優杏,MONOist]
スバルの「レヴォーグ」

 出会いも別れも一緒くたになってやってくる日本の4月ですが、今年(2014年)のクルマ業界の4月は案外静かです。

 今夏は新モデルがめじろ押しになる予定なのだけど、その嵐の前の静けさなのかしら、ちょっと不気味なほどの凪状態。単に私がヒマなだけ? と同業に探りを入れると、程度の差こそあれ皆さん異口同音にうなずかれるので勘違いではなさそうな……。

 まぁこんな時だから、これから出てくるモデルに思いをはせて、ちょっとわくわくしてみたい感じです。

待って損なしの「レヴォーグ」

 とくれば気になるのは、スバルの「レヴォーグ」あたり、どうでしょう。

 先日とうとう待ちに待った正式発表があり、発売は当初の予定より少しだけ遅れて6月20日からになりました(関連記事:スバル「レヴォーグ」は6月20日に発売延期、「EyeSight(ver.3)」量産を万全に)。受注は実に昨年(2013年)末に開始されていますから、予約した人はもう待ちくたびれちゃってるかもしれません。

sp_140425ecocar_evolution10_01.jpgsp_140425ecocar_evolution10_02.jpg 「東京モーターショー2013」で初公開された「レヴォーグ」(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 とはいえ、公式発表によれば発売の遅れの原因となった、第3世代、最新の「アイサイト」である「EyeSight(Ver.3)」がこのレヴォーグから導入されている、というのは商品としてかなりの魅力だし、待って損なし! プロトタイプに試乗する機会を得たのですが、走りの方もいい感じです。どうぞご期待ください!

 ここ数年、スバルが総力を挙げて取り組んできたアイサイト+直噴×ターボのDIT+そしてダウンサイジング。これらの役者が一挙に詰まった、スバル渾身の1台ですから。

肥大化した「レガシィ ツーリングワゴン」の後継

「レガシィ ツーリングワゴン」 「レガシィ ツーリングワゴン」(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 さて、この連載は「エコカー☆進化論」ですから、今回もレヴォーグのエコな面に触れて行こうと思うのですが、その前にちょっとおさらいをしておきましょう。

 既にアナウンスされている通り、レヴォーグは、「レガシィ ツーリングワゴン」の後継にあたるクルマです。1989年に誕生して以来、日本はもとより海外(特に北米)で高い評価を受けていた「レガシィ」は、海外のマーケットの要望を素直に受け入れてすくすく育った結果、留学生が一気に太っちゃうかのように肥大化し、とうとう運転席と助手席の間に配されたドリンクホルダーを横一列に並べられちゃうくらいのビッグサイズになってしまいました。

 このことは、日本のレガシィユーザーの不満を招く原因にもなったのです。狭い日本で、あまりに大きなボディは扱いづらい。

 そこで原点に立ち返り、「日本のユーザーにもっと使いやすいツーリングワゴンを」ということで発表されたのがこのレヴォーグ。そのボディサイズは4代目レガシィ、つまり先々代と同等となっています。

sp_140425ecocar_evolution10_04.jpgsp_140425ecocar_evolution10_05.jpg 「レヴォーグ」の走行イメージ(左)とフロントフェイス(クリックで拡大) 出典:富士重工業
「レヴォーグ」の車室内スペース 「レヴォーグ」の車室内スペース(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 その威風堂々としたツラ構えからは、日本市場向けになったサイズのことは感じにくいですし、乗ってみれば室内空間はゆったりとしていて、狭苦しい感じや窮屈さも感じないように仕上がっています。

 そして何より、いったん乗り込んでから車外に出てクルマの横に立ってみると、「お?」というくらいコンパクトに感じます。それくらい室内空間の快適性もばっちり確保されていますし、特に運転席から後方を振り返ったときに感じる奥行きったら、サイズ以上の広さを実感しちゃいました。

 スバルは基本的にエンジン屋さんだし、また走りに関する部分への妥協を一切しない職人集団です。だからこそ、“ウワモノ”、特に内装関連に苦手意識があったことは否めません。しかしその辺は現行の「インプレッサ」あたりから徐々に意識をシフトしていて、同社人気のコンパクトSUV「XV」で飛躍的にすてきになりました。

 そんな流れの中でのレヴォーグですから、確かにインストルメントパネル周りはどこからどこまでも真っ黒! 黒一色! で男らし過ぎる感もありますが、質感は高いです。

 少し話はずれますが、残念なことに、このタイミングでレガシィのラインアップからツーリングワゴンが姿を消しました。なぜって、レガシィを大きく育てた北米ではツーリングワゴンが売れないのです。何だかんだ言っても、やっぱりセダンとSUVが双璧をなすのが北米市場なのです。でも高い販売比率を占める北米市場で、レガシィのセダンB4をやめるわけにはいかない。

 レヴォーグのCMでは、「25年目のモデルチェンジ」とキャッチコピーを打って、伝統のレガシィ ツーリングワゴンはレガシィシリーズから独立して新たな1つのモデルになりました……という「特別待遇」にストーリーの着地点を持って行っています。でも……何か……押し出された感は否めないなぁ……と一瞬切なくなった私でした。その昔はオシャレカーだった時代もあったのになあ……と。

 でも! これからレヴォーグ伝説が始まるのを見守るのもそれはそれで超楽しみ! ま、イメージでいえば老舗ののれん分けって感じかな。

 こうして歴史は繰り返されてきたんですもんね。

 ちなみに、レヴォーグという名前の意味は、レガシィのLEGACY(大いなる伝承物)を引き継ぎながらも、REVOLUTION(変革)し、TOURINGの新しい時代を切り開くというもの。う〜ん、名探偵コナンでも金田一少年でも解けなそうな難解さですけど(!?)情熱は感じますね(と無理やりナットク)。

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