4kWレーザー搭載の溶接ロボットシステムを製品化――パナソニック溶接システムFAニュース

世界で初めてリモートレーザー溶接用として4kWダイレクトダイオードレーザーを搭載したという。自動車の車体・部品の溶接などの用途が想定されている。

» 2014年04月26日 10時00分 公開
[MONOist]

 パナソニック溶接システムは2014年4月16日、米TERADIODEと共同で、レーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS(LAser Processing Robot Integrated System Solution)(呼称:ラプリス)」を製品化したと発表した。世界で初めて4kWダイレクトダイオードレーザーを搭載したという。2014年4月23日から受注を開始する。

 LAPRISSは、パナソニック溶接システムの持つロボット技術・溶接技術と、TERADIODEのWBC(Wavelength Beam Combining:波長合成)技術を用いている。リモートレーザー溶接に必要な「発振器」「ロボット」「スキャニングヘッド」といった技術を統合した製品だとしている。

 また、次世代の高出力ダイレクトダイオードレーザーとされるWBC技術による4kWのダイレクトオートレーザーを搭載。ファイバーレーザーやディスクレーザーに匹敵するビーム品質を持たせた。これをリモートレーザー溶接用として製品化したのは世界初だという。

 さらに、ロボットと同じACサーボモータで特殊光学系を駆動させる小型・軽量の「トレパニングヘッド」を開発した。6kg可搬のロボットに搭載可能で、制御装置もロボットのコントローラに内蔵。システムを大幅に小型・省スペース化できる。

 操作も簡単で、従来のアーク溶接やスポット溶接と同じように扱える。同時に、「スパイラルパターン」や「レーザースピン」など、パナソニック独自のレーザー溶接施工技術を標準装備。ワーク精度の管理が難しいレーザー溶接でも、ギャップ裕度や狙いズレ裕度を拡大できる。最適な施工条件を自動設定する「レーザーナビ機能」なども備えている。

 主な用途としては、自動車の車体・部品の溶接などが想定されている。

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