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» 2014年04月30日 13時30分 UPDATE

SPICEの仕組みとその活用設計(11):SPICEモデルとライブラリ(その2) (1/3)

必要なSPICEモデルがツールに含まれていない場合は、第三者提供のものを使う必要がある。第11回では、SPICEモデルの入手方法や、開発STEPとモデルの精度の考え方について説明する。有用なサブサーキットモデルについても紹介しよう。

[加藤博二(Sifoen),MONOist]
SPICEの仕組みとその活用設計

 前回はSPICEモデルの概要について説明しましたが、目的のモデルがツールに含まれていない場合、一部の例外を除いて第三者提供のモデルを使うことになります。

 今回はこのような場合に必要となる、SPICEモデルの入手方法や、開発STEPとモデルの精度の考え方について説明するとともに、前回お約束したサブサーキットモデルについても紹介します。


SPICEモデルの入手方法

 まずは、ツールのライブラリファイルに含まれていないSPICEモデルの入手方法について簡単に説明します。

(1)半導体メーカーのWebサイトから入手する

 以下に挙げるのは、SPICEパラメータを公開しているWebサイトの一例です(下記のURLは2014年4月25日時点のもの)。

 これらのサイト以外にも、“SPICEパラメータ”、あるいは“SPICEモデル”をキーワードに検索を行えば幾つかのWebサイトがヒットします。SPICEベンダーのWebサイトでも、SPICEモデルを入手できる半導体メーカーを紹介していますので、リンク先から必要なファイルをダウンロードしてください。回路図用シンボルを配布しているサイトが見つかる場合もあります。

パナソニック

 パナソニックのディスクリートデバイスのトップページ(http://www.semicon.panasonic.co.jp/jp/products/discrete/)で、右上にある検索窓から部品品番を検索、あるいは左欄の分野から絞り込んで出てきた部品品番を選択→ドキュメント一覧から「スパイスパラメータ(lib)」などをダウンロードします。なお、パナソニックは、ディスクリート半導体を縮小する方向ですので、必要なモデルは可能なうちに早急にダウンロードしておくことをおすすめします。

ローム

 「Design Simulation Models」というWebページ(http://www.rohm.co.jp/web/japan/designsimulation)に、半導体製品のカテゴリー別にSPICEモデルのダウンロードページへのリンクが張られています。

新日本無線

 「当社マクロモデルについて」というWebページ(http://semicon.njr.co.jp/jpn/macro/)に情報があります。新日本無線は、ディスクリート半導体ではなく、ICが主力なのでサブサーキットモデルを提供しています。

海外半導体メーカー

 海外の半導体メーカーは、割合と積極的にSPICEモデルを公開しています。しかし、海外の半導体メーカーの品番付与方法では“同定格・同特性なら同じ品番”を付与していることが多いにもかかわらず、SPICEパラメータは微妙に違っていたりします。SPICEモデルと品番、メーカーの関係が分かるように管理する必要があります。

例えば、後述の図3で使うSPICEモデルにはIseが設定されていませんので、微小電流域でのhfeの低下が表現されていません。しかし、他社の同じ品番のSPICEモデルにはIseが設定されているものもあります。


非公開モデルの入手

 公に開示されていなくても、勤務先の企業が半導体製品を購入していて、業務としてSPICE解析を行っているのであれば、購入窓口を通じて半導体メーカーにSPICEパラメータの提出を依頼してみてもよいでしょう。正式には公開していなくても、大手顧客向けにパラメータを保有している場合があるので入手できるかもしれません。現在ではSPICEモデルがそろっていることも部品採用の重要な決め手なのです。

(2)モデリング専業メーカーからデータを買う

 有料ですが、専業メーカーだけあって、詳細モデルをサブサーキットモデルで提供してくれます。

 故障解析などの詳細解析が必要な場合には購入を検討してもよいでしょう。

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