デンソーが出力密度100kW/lのSiCインバータを紹介、高着火スパークプラグも人とくるま展2014 開催直前情報

デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、独自開発のSiC(シリコンカーバイド)デバイスを用いた高出力小型インバータモジュールを紹介する。その出力密度は、2012年の同展示会で達成した60kW/l(リットル)を大幅に上回る100kW/lを実現したという。この他、燃費改善に貢献する気流誘導高着火スパークプラグなども展示する。

» 2014年05月16日 10時00分 公開
[MONOist]
デンソーの「人とくるまのテクノロジー展2014」のブースイメージ

 デンソーは2014年5月15日、「人とくるまのテクノロジー展2014」(2014年5月21〜23日、パシフィコ横浜)の出展概要を発表した。

 環境分野では「世界初」(同社)となる3つの製品を出展する。1つ目は、気流誘導高着火スパークプラグである。これまでのスパークプラグは、取り付け方向によっては接地電極が混合気の流れを阻害してしまうという課題があった。気流誘導高着火スパークプラグは、中心電極の周辺に混合気流を誘導する誘導板を備えており、放電の伸びを拡大し、より安定した着火性を実現することで燃費改善に貢献できる。

 2つ目は、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化に用いられるEGR(排気再循環)システムを構成する部品のうち、吸気絞りバルブ(弁)とEGRバルブを一体化したEGRバルブユニットだ(関連記事:クリーンディーゼルの小型化が可能なEGRバルブユニット、デンソーが開発)。従来と比べて体積を半分に低減できており、構成部品数の削減によってコスト低減も実現できる。

 3つ目は新型エアコンユニットである(関連記事:デンソーがカーエアコンユニットを標準化、小型車から高級車まで搭載可能)。従来のエアコンユニットは、車種ごとにサイズや構造などが異なるのが一般的だったが、新型エアコンユニットは構成部品の共通化を進めつつ要求される性能を実現できる構造になっており、小型車から高級車まで共通して搭載可能だ。

 これらの他、独自開発のSiC(シリコンカーバイド)デバイスを用いた高出力小型インバータモジュールを紹介する。デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2012」で、世界最高水準となる60kW/l(リットル)の出力密度を持つSiCインバータモジュールを出展している(関連記事:デンソーが小型SiCインバータを披露、出力密度は世界最高水準の60kW/l)。今回の高出力小型インバータモジュールの出力密度は、これをさらに上回る100kW/lを実現しているという。

デンソーの「人とくるまのテクノロジー展2014」のブースイメージ デンソーの「人とくるまのテクノロジー展2014」のブースイメージ(クリックで拡大) 出典:デンソー

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