自動運転の実現に向けて異業界から自動車業界へ転職する流れ、今後の主流になるか分野別 転職市場状況

2014年5月時点の電気・電子分野、機械メカトロ分野の転職市場状況を紹介。

» 2014年05月23日 16時30分 公開
[MONOist]
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本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。



電気・電子分野の状況と転職のポイント

 電気・電子系の求人は、引き続き自動車業界の採用が最も活発な状況です。画像処理や高周波無線通信など、これまで自動車とはあまり縁の無かった技術が、次世代の自動車産業の要となると予測される自動運転の実現に向けて、積極的に取り込まれようとしております。異業界から自動車業界に移るという転職の流れは、今後も電気系エンジニアの転職の主流となると予測されます。

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 この傾向は、完成車メーカーから、システムサプライヤー、部品メーカーまで多くの企業に当てはまり、内資系外資系問わず積極的な採用を行っております。

 他業界においては、医療機器メーカーや、加工装置、検査装置などの産業装置メーカーが活況です。スマートフォンやタブレット市場の拡大に連動して、デバイスメーカーも積極的に採用をされています。

 一方で特定労働者派遣事業の企業も積極的な採用を継続しています。メーカーの開発案件増、人員削減に伴いニーズが高まっているとともに、開発設計業務を派遣エンジニアに任せるメーカーの増加に伴い、上流工程から携わる機会が増えていることも大きな魅力です。多数のメーカーが人員削減や拠点削減を推進している現状を考慮すると、安定した転職先と考えることもできます。この点からエンジニアの労働環境は大きな転換期に突入しているといえます。

機械メカトロ分野の状況と転職のポイント

 製造業での決算見通しが、燃料費・材料費などのマイナス要因がありますが、円安要因から好決算が予想されております。

 一方、差別化が難しくなった家電・PCおよび国内生産の縮小が避けられない石油・石油化学分野を中心にリストラクチャリングが恒常的に実施されています。

 そのような状況で、中途採用のトレンドとしては、リーマンショック以降で新卒および中途採用を控えた反動から、人員構成の修正や技術伝承、そして開発案件の増加から昨年と比較して前倒し気味に求人が増えています。

 機械分野としては、輸送機器(自動車、建設重機、農機、鉄道など)、医療機器、計測機器、製造設備、空調機械、火力発電プラント、再生可能エネルギー機器、遊技機での機械設計、解析(強度、流れ、熱)、サービスエンジニア、プラントエンジニアリングの求人が多く、第二新卒から中堅、管理職でのポジションと幅広くニーズが発生しています。

 この流れはアウトソーシング業界にも影響を及ぼしており、エンジニアとして即戦力性を求められ今まで携わることができなかった業務領域を担当することも多くなっております。そのため、従来のイメージと異なり、より上流の「設計・開発」案件に携わる機会が多くなっております。

プロフィール

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河辺 真典(かわべ まさのり)

株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。

元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。

エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。

面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。


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