クルマを作るって、こんなに多くの力が必要なんだモデルベース開発奮戦ちう(2)(3/4 ページ)

» 2014年05月28日 11時30分 公開

分かんないことは、聞いちゃえ

 長時間の大部屋会議が終了し、帰り支度をしている三立精機のメンバーのところに鈴木さんが来て声を掛けた。


鈴木

大滝様。少々ごあいさつさせていただけませんでしょうか。


京子

(あっ!)


 鈴木さんと一緒に現れた人物に驚いた。谷田様だ。早速、大滝部長が対応する。

大滝部長

谷田さん、今回もすごい開発にご一緒させていただき光栄です。


谷田部長

こちらこそ光栄です。今回のプロジェクトはCVT制御が大きなカギです。ぜひとも、これまで以上のご協力をお願いします。


大滝部長

お任せください。こちらも新設のモデルベース開発課を中心に全力で対応させていただきます。


京子

あの……


谷田部長

おや? 初めてお会いしますね。何でしょう?


京子

お、小野京子と申します。今日はありがとうございました。モデルベース開発のことで、質問があるのですがよろしいでしょうか!


大滝部長

これこれ小野くん。唐突に失礼ですよ。


谷田部長

いえいえ。ぜひともおうかがいしたいと思います。どうぞ何でも聞いてください。


 谷田様は、専門性の高い、いかにも学者肌の厳しい方のように見える。でも、私のぶしつけな態度に怒ることなく温かい言葉で対応していただけたので、思い切って質問を続けることにしてみた。

京子

私は、これまでC言語によるプログラミングで制御開発を行ってきました。現在、モデルベース開発を勉強中なんですが、C言語のプログラミングに慣れた技術者がモデルベース開発を実践するに当たって、どういった点に留意すればよろしいのでしょうか? 例えば、C言語を交えながら開発してもいいものなのでしょうか?


谷田部長

なかなか面白い質問ですね。直接の答えになるかどうか不安ですが、聞いてもらえますか?


 谷田様は、モデルベース開発のことがまだよく分かっていない私に、順を追って説明してくれた。

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