インタビュー
» 2014年07月28日 10時00分 UPDATE

新型コペン チーフエンジニア インタビュー:新型「コペン」の“4つの変える”がダイハツをも変革する (1/2)

スポーツカー冬の時代といわれる国内自動車市場で、2014年6月に発売された軽オープンスポーツカーの新型「コペン」。新型コペンのチーフエンジニアを務めるダイハツ工業 製品企画部の藤下修氏に、この厳しい市場環境下で新型コペンを成功させるための施策について聞いた。

[朴尚洙,MONOist]
新型「コペン」とチーフエンジニアの藤下修氏

 ダイハツ工業が2014年6月に発売した軽オープンスポーツカーの新型「コペン」の販売が好調だ。700台という月間販売目標台数に対して、発売から1カ月の受注台数は約4000台に達している。

 新型コペンは、剛性を大幅に高めた新骨格構造「D-Frame」による走行性能と、樹脂外板を着せ替えることで購入後のデザイン変更を容易にする「DRESS-FORMATION」が特徴。税込み価格は180万円前後に抑えている。

 出だしは好調な新型コペンだが、今後は月間販売目標台数の700台を維持できるかに注目が集まる。スポーツカー冬の時代といわれるようになって久しく、さらにコペンのような軽スポーツカーは国内でしか販売できないというマイナスの条件もある。そんな状況下で、新型コペンを事業として成り立たせるための成算はあるのか。新型コペンの開発責任者である、同社 製品企画部 チーフエンジニアの藤下修氏に、今後の展開の方向性などを含めて聞いた。



MONOist 新型コペンは、スマートフォンケースのように樹脂外板を着せ替えられるDRESS-FORMATIONなどが話題になって、足元の販売は好調です。ただ、現在の国内自動車市場を考えると、スポーツカーの売れ行きをあまり期待できる状況にはないようにも思えます。新型コペンを成功させるためにどのような取り組みをしていますか。

新型「コペン」のチーフエンジニアを務める藤下修氏 新型「コペン」のチーフエンジニアを務める藤下修氏

藤下氏 新型コペンを発売する上で、私が社内外に訴えてきたのが“4つの変える”という方針だ。設計/開発、製造、販売/訴求、そしてお客さまとのコミュニケーション、これら4つについて、従来のダイハツ工業のやり方を根本から変えなければ、軽オープンスポーツカーである新型コペンは売れないし、売る意味もないと考えた。

 まず「設計/開発を変える」については、従来の自動車開発におけるフルモデルチェンジから一線を画すような取り組みが必要だと考えた。冷え切ったスポーツカー市場で、話題と注目を集め、販売店にお客さまを呼び込めるようなクルマでなければならない。そのための新たな要素となったのがDRESS-FORMATIONだ。

 次に「製造を変える」では、少量生産が前提となるスポーツカーに最適化した「コペンファクトリー」での生産だ。新型コペンのオーナーが生産の様子を見学できるスペース設置する計画だ(関連記事:新型「コペン」は工場も新しい、新技術満載の「コペンファクトリー」で生産)。

MONOist 新型コペンは確かに魅力的なクルマですが、実際に購入してもらうには販売面でも変えることは多くあるはずです。

藤下氏 正式に発売したからには、“4つの変える”のうち残り2つ、「販売/訴求を変える」と「お客さまとのコミュニケーションを変える」を実践に移さなくてはならない。

 そのための施策で中核を成すのが、ダイハツ工業の販売店のうち約70店に設けるショップinショップ「コペンサイト」と、メーカー直営の情報発信拠点「コペンローカルベース」だ。

 コペンサイトは、新型コペンの仲間が気軽に集い、交流できるドライバーズサロンにしたいと考えている。コペンサイトには、スポーツカーに詳しい従業員が「コペンスタイリスト」として常駐する予定だ。コペンローカルベースは、2014年6月29日に、神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜海水浴場近くに第1号店をオープンした。新型コペンを中心に、地域のダイハツ車のファンと対話したり、ファン同士が交流したりするオープンカフェをコンセプトとする店舗になる。

sp_140728daihatsu_02a.jpgsp_140728daihatsu_02b.jpg プラモデルの箱をイメージしたコペンスタイリストの名刺。コペンサイトなどで顧客と直接交流する際には、藤下氏もこの名刺を渡しているという(クリックで拡大)

 東京・立川、横浜、京都など、既にコペンサイトを設置した販売店には、私自身も訪れており、コペンスタイリストやお客さまと直接交流させていただいている。鎌倉のコペンローカルベースにも、休日などを利用して訪問している。

 今後は、コペン公式WebサイトFacebook、各販売店のブログなど、インターネットやSNSを活用したお客さまとの交流も本格化させたい。私自身も、「お客さまとのコミュニケーションを変える」を率先して実行するため、直接交流させていただいたお客さまとFacebookでつながって、ダイレクトに意見をいただけるようにしている。

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