ハイブリッドレースカーが火花を散らす、今WECがアツイ!今井優杏のエコカー☆進化論(12)(5/5 ページ)

» 2014年08月19日 10時00分 公開
[今井優杏,MONOist]
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速くて楽しいハイブリッド車はもう夢じゃない?

 それでは今回のまとめ。

 F1ですら、ダウンサイジングエンジンやKERS(運動エネルギー回生システム)を使ってどんどんマシン重視のレースに変わりつつあります。しかし、素性からしてマニファクチャラーのためのWECというレースがあって、ここまでハイブリッドシステムをスパルタンに鍛え上げている場があるということを、いちモータースポーファンとして、知ってもらいたかったのです。

 今回はトヨタチームに触れましたが、もちろん絶対王者アウディも、そして最多優勝記録を持つ古株・ポルシェも、それぞれの哲学にのっとって、本気の技術戦争を繰り広げています。

 レースのレギュレーションは時代の流れとともにどんどん変化していきます。そしてそのリクエストに完全に応えた者だけが、勝利をつかみ取ることができる……。何ともシビれる世界観じゃないでしょうか。

 しかもWECの技術は遠いお国のたっか〜いスポーツカーだけに搭載される技術じゃない。レンタカーにも搭載される街のハイブリッド車のボンネットにも通じていると思ったら……ちょっと興味が沸きませんか?

 トヨタの事例ではありますが、ここ数年、最先端技術開発部門とモータースポーツ部門の意見交換・技術共用は活発に行われているそうです。

 そう、速くて楽しいハイブリッド車は、もう夢ではないのかもしれません。

 もひとつ言うなら、来年(2015年)には日産自動車/NISMOが、トヨタと同じLMP1に参戦することがすでに発表されています。ホンダのF1復帰もそりゃ楽しみですが、こっちのガチハイブリッドバトルも絶対に見逃せない!

プロフィール

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今井 優杏(いまい ゆうき)

レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向し、Webメディア、自動車専門誌に寄稿。そのかたわら、モータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベントなどでMCも務め、日本全国を飛び回る日々を送っている放浪系女子。自動二輪と自転車、両方の意味でのバイク好きでもある。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員、2013〜2014日本カーオブザイヤー選考委員。



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