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» 2014年08月25日 13時30分 UPDATE

ベンチャーニュース:ハードウェアベンチャーを支えるBluetooth通信技術

Bluetooth規格の標準化団体であるBluetooth SIG(Special Interest Group)は、東京都内で会見を開き、「Bluetooth Smart」の活用事例などを紹介。同会見には、Bluetooth SIGのメンバー企業として、LogbarやCerevoといった、Bluetooth通信機能を搭載したIoT関連製品を開発している国内のハードウェアベンチャーも参加した。

[陰山遼将,MONOist]
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 Bluetooth規格の標準化団体であるBluetooth SIG(Special Interest Group)は2014年8月22日、東京都内で会見を開き、「Bluetooth Smart」の活用事例などを紹介した。Bluetooth Smartは、2010年に策定された「Bluetooth 4.0」より導入されている低消費電力通信規格「Bluetooth Low Energy」に対応する機器を総称したブランド名。Appleのスマートフォンでは「iPhone 4S」以降、Android OSでもバージョン4.3からネイティブでサポートを開始している。

 同会見には、Bluetooth SIGのメンバー企業として、Logbar(ログバー)やCerevo(セレボ)といった、Bluetooth通信機能を搭載したIoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連製品を開発している国内のハードウェアベンチャーも参加した。


Bluetooth搭載機器は今後もさらに拡大へ

rk_140822_bluetooth.jpg Bluetooth SIGのErrett Kroeter氏

 会見では、Bluetooth SIG グローバルインダストリー&ブランドマーケティング ディレクターのErrett Kroeter氏が登壇した。同氏は低消費電力に対応するBluetooth Smartの登場が、Bluetooth普及の大きな要因であると語った。また、Android OSの次世代バージョンである 「L」ではBluetooth Smartと、それ以前のBluetooth技術である「クラシックBluetooth」の両方がネイティブでサポートされると説明した。同OSは最新の「Bluetooth 4.1」にも対応するという。

 同氏は、今後さらにBluetooth Smartに対応する機器が拡大するとの見方を示した。特にヘルス&フィットネス分野では、2013年に世界全体で3430万台の機器がBluetooth Smartを使って接続を行っていたが、2018年には1億4200万台まで増加するという。また、今後さらなる市場の成長が見込まれているスマートホーム分野では、2018年に1億8150万台の機器がBluetooth Smartを通じて接続を行うと予測した。(関連記事:iOSに続き「Android L」もサポート、Bluetooth Smart対応アプリの開拓に弾み)。

指1本であらゆる機器を操作できるデバイス「Ring」

 会見では、Bluetooth SIGのメンバー企業の講演も行われ、Logbar代表取締役の吉田卓郎氏が登壇した。2013年に創業したベンチャー企業である同社は、現在「Ring」というウェアラブルデバイスを開発している。これはその名の通り指輪型のデバイスで、人差し指に装着するとそのジェスチャーを認識し、スマートフォンやタブレット端末への文字入力や、専用ハブを通して家電の操作を行うことが可能になる。同製品は米クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金を集めて開発が行われた。

rk_140822_ring01.jpg Logbarの吉田氏

 RingとスマートフォンはBluetoothを利用して接続する。吉田氏はその採用理由について、「消費電力を抑えられるというメリットが大きかった。Ringは通常使用で1〜2日、スリープモードで約1週間はバッテリーが持つ。また、AppleのiOSなどが、Bluetooth Smartをネイティブでポートしたことで開発がとても楽になった。そのおかげで、デバイスの開発に時間をかけることができた」と話す。同社はRingを2014年9月からKickstarterでの支援者に向けて発送し、同年10月以降に一般向けに販売を開始する予定だという。

家電の新たな活用法を提示するCerevo

 家電ベンチャーのCerevoは製品を展示した。2007年に創業した同社は、これまでさまざまなIoT関連製品の開発と販売を行ってきた。今回は同社の製品の中から「SmartTrigger」と「EneBRICK」の2つを展示した。

 SmartTriggerは、スマートフォンをデジタル一眼レフのリモコンとして使えるアダプターだ。この製品をデジタル一眼レフとレリーズケーブルで接続すれば、SmartTriggerとBluetoothでペアリングさせたスマートフォンをカメラのリモコンとして利用できる。ユーザーは、カメラから離れていてもスマートフォンを通してシャッターを切ることが可能だ。

rk_140822_smarttrigger01.jpgrk_140822_smarttrigger02.jpg 「SmartTrigger」(左)と、デジタルカメラに接続した様子(右)。スマートフォンに専用アプリケーション「SmartTrigger APP」をインストールして使用する(クリックで拡大)

 SmartTriggerは、専用アプリケーション「SmartTrigger APP」をスマートフォンにインストールして使用する。これによりユーザーは、一定の間隔をあけて撮影した静止画をつなげて、動画のように見せるタイムラプス動画や、被写体のジャンプを感知して自動でシャッターを切るといった、デジタル一眼レフに搭載していない機能を使用できる。また、デジタル一眼レフだけでなく、スマートフォンの内蔵カメラを制御することも可能だ。SmartTriggerは、同社の製品の中でも開発スピードが早い方で、クラウドファンディングで資金を調達してから約半年で販売に至ったという。

rk_140822_enebrick01.jpgrk_140822_enebrick02.jpg 「EneBRICK」(左)にタブレット端末を立てかけ、USBキーボードに接続した様子(右)(クリックで拡大)

 同社は、Bluetooth搭載機器への文字入力にUSBキーボードを用いることが可能になるモバイルバッテリー、EneBRICKも展示した。バッテリーの内部にBluetoothが搭載されており、Bluetooth搭載機器をペアリングして本体のくぼみに立てかければ、バッテリーに接続したUSBキーボードで文字入力を行うことができる。これまで愛用してきたUSBキーボードを、Bluetooth搭載機器に文字入力を行う際にも使いたいというニーズに応えた製品だという。

 Bluetooth技術の進化により、こうしたIoT関連の製品の開発が行いやすい環境になりつつある。2013年に策定された最新の規格「Bluetooth 4.1」では接続性の改善や、Bluetooth SmartセンサーでIPv6を利用することが可能になった。これらのBluetooth技術の進展により、各種機器のモノのインターネット化がさらに加速する可能性は高い。

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